治験について – 患者様へ

東京医療センター 臨床研究・治験推進室

地域医療連携 現在参加募集中の治験

ご興味のある方は臨床研究・治験推進室 直通電話 03-3411-2526(平日9時~17時)までご連絡ください。

診療科 疾患名 資料
耳鼻咽喉科 外耳道軟部組織欠損 外耳道軟部組織欠損がある患者さんへ (PDF : 380KB)
眼科 X連鎖性網膜色素変性症 X連鎖性網膜色素変性症の方へ (PDF : 271KB)

※当院では健康な方対象の第1相試験は実施しておりません。

治験とはなにか

治験とは、新しいくすりの効き目や副作用について調べる試験です。

『くすりになりそうな物質』が『薬』として使われるようになるには、何年もの年月をかけていろんな試験をし、人においてどんな効き目(有効性)や副作用(安全性)があるかを確かめる必要があります。たくさんの人の協力のもとで治験を行い、新しい薬が開発されています。 治験は、参加する方の「本人の自由意思」に基づいて行われています。治験に参加される方の人権と安全性が最大限に守られるよう、厚生労働省が定めた基準(医薬品の臨床試験の実施基準:GCP)に従って行われます。

治験の段階

第I相試験(フェーズワン)

健康な男性が対象となります。(当院では行っておりません)

第II相試験(フェーズツー)

少人数の患者さんが対象となります。

第III相試験(フェーズスリー)

多数の患者さんが対象となります。

厚生労働省承認

治験で得られた結果は新薬が承認申請される際の提出資料となります。

治験Q&A

Q.治験はだれでも参加できますか?(妊娠している人は治験に参加できますか?/現在、他の病気で治療を受けていますが、治験に参加できますか?/現在、健康ですが、治験に参加できますか?)
A.希望されるすべての方にご参加いただけるわけではありません。その治療薬が対象とする病気の患者さんであることが必須です。その病気の患者さんであっても、病状などが治験ごとに設けられている条件に合わない場合にはご参加いただけません。

妊娠している方や妊娠を希望されている方は、安全への配慮から治験にはご参加いただけません。
基礎疾患への影響が心配される方や、特殊な反応(アレルギー)が起こりやすい方などもご参加いただけません。他の病気で治療を受けられている方の場合、その病気の種類や症状によってはご参加いただけないことがあります。治験に参加される前に、検査や問診などによって治験に参加できるか否かの確認が行われます。参加を希望される方は、治験の担当医師に詳しい状況をお話しください。

健康な方を対象とした治験は、第1相試験に限られます。当院では第1相試験は行っておりません。予めご了承ください。
Q.本人以外の手続きで治験に参加することはできますか?
A.ほとんどの治験で、本人以外の手続きによる治験参加は 認められていません。ただし、ご本人の意思を確認することが難しい場合(例:痴呆症など)には、ご本人以外の方の手続きでもご参加いただけることがあります。この場合、ご本人以外の方とは、親権者、配偶者、後見人などです。
Q.治験はどこでも受けられますか?
A.治験を実施する病院は限られています。経験豊富な医療スタッフが十分に確保され、臨床観察や検査が行えるだけの医療設備が整い、治験を運営する事務局の体制が整っていることが必要です。
Q.治験に参加することによるメリットは何ですか?
A.新しい治療を受けられるチャンスがあります。

治験担当医師による丁寧な診察が受けられます。

一般の診療よりも詳しい検査が行われます。

参加することで薬の承認が早まれば患者全体の利益になり、次の世代により良い薬を残すために協力するという社会貢献ができます。
Q.治験に参加することによるデメリットは何ですか?(何か生活上の制約はありますか?)
A.一般の診療より検査が多く、時間的拘束が長くなります。
毎日決まった時間帯に治験薬を服用していただくことや、その記録をつけていただくよう依頼されることがあります。

予期せぬ副作用が現れる可能性があります。
Q.副作用の心配はありませんか?(薬を服用する上での注意点は何ですか?/副作用を最小限にとどめるにはどうしたらよいでしょうか)
A.治験では一般の診療よりも詳しく検査を行うなど、副作用の可能性を最小限にするとともに、それが起きても早期に発見できるよう配慮がなされています。

治験に限らず、薬は正しく服用するようにして下さい。決められた時間どおりに服用しなかったり、2回分を一度に服用するなどしますと、思いもよらない副作用が起きることがあります。薬を飲んで「いつもと何か違うな」と感じたら、すぐに担当医師にご連絡ください。副作用は早期に発見して適切な処置を行うことで、症状を最小限にすることができます。
Q.現在、かかりつけの医師から処方されている薬は、そのまま飲み続けてもよいのですか?
A.処方されている薬の種類によって異なります。治験への参加を希望される方は、治験に参加される前に治験の担当医師に詳しい状況をお話しください。
Q.治験の費用(治療費)はどれくらいかかりますか?謝礼はもらえますか?謝礼に税金はかかりますか?
A.治験薬は製薬会社から提供され、治験薬を服用している間の検査費用は製薬会社が負担します。これらの費用を差し引いた費用のうち、保険で支払われる分を差し引いた金額をご負担いただきます。

また、治験に参加すると、検査、診察のため来院する回数が通常よりも多くなることがあるため、治験に参加される方の通院などの負担を少しでも軽減する目的で、「負担軽減費」が支払われます。この負担軽減費に税金はかかりません。
Q.治療の期間はどれくらいですか?
A.治験の期間は治験ごとに異なります。数週間の場合もあれば、数年に及ぶ場合もあります。
Q.プライバシーは守られますか?個人情報が外部に漏れることはありませんか?
A.治験に限らず、患者さんのプライバシーや人権は、国の法律によって厳重に守られており、個人情報が外部に漏れることはありません。更に、治験においては、GCPによっても治験に参加される方のプライバシーや人権を守ることが定められています。
Q.治験の参加を断ったり、治験を途中で止めることはできますか?
A.治験に参加するか否かは、患者さん本人の自由意思に委ねられています。治験に関する詳しい説明を聞いた後に、ご自分で決めてください。一旦治験への参加を同意された後でも、ご自分の意思でいつでも取りやめることができます。

治験への参加を断ったり、治験を途中でやめたからといって、その後の治療への影響はまったくありません。何か不安を感じられた場合には、治験コーディネーターにご相談ください。
Q.治験終了後も引き続き治験薬での治療を受けられますか?
A.治験薬で高い治療効果が得られても、治験が終わるとその治験薬を服用しつづけることは通常できませんが、場合によっては可能なこともありますので治験の担当医師に確認してください。
Q.インフォームドコンセントとは何ですか?
A.インフォームドコンセントとは、「自分の病気のことやその治療方針について医師等から十分説明を受け、患者さんが説明の内容をよく理解し納得した上で、患者さん自身の意思で治療を受けることに同意する」ということです。

治験においては、治験の目的や治験薬の特徴、治験の実施方法などについて、医師が治験への参加を希望される方に説明を行います。参加を希望される方は、疑問等があれば質問し、納得できるまで説明を受けることができます。また、家族や友人などに相談した後に判断することもできます。インフォームドコンセントは契約ではなく、「治験の内容を理解、納得し、自分の意思で治験に参加することを決めました」という意思表示ですので、治験参加の同意文書にサインした後でも、参加者本人の判断で、いつでも治験への参加を取りやめることができます。
Q.治験審査委員会(IRB)とは何ですか?
A.病院は、製薬会社から治験の依頼を受ける前に、その治験の計画内容が倫理的、科学的、医学的に適正かどうか、参加される方の人権や安全性に問題がないかどうかを治験審査委員会 (IRB:Institutional Review Board)で審査します。IRBは、医学、歯学、薬学、その他の医療や臨床試験の専門的知識を有する人以外の非専門家とその病院と利害関係のない人を加えて組織されています。IRBで「治験を行うことが適当でない」と判断された治験の依頼は受けてはならないことになっています。
Q.プラセボ(偽薬)とは何ですか?
A.治験によっては、治験に参加される方に「治験薬」か 「評価の対象となる薬」のいずれかを服用していただくことがあります。評価の対象となる薬は、治験によって、既存の薬の場合と、プラセボ(偽薬)の場合と があります。プラセボは、見た目や味などは治験薬とまったく同じですが、薬の成分は含まれていません。治療薬の効果や副作用がどの程度なのかを調べるためには、プラセボと比較することが最も科学的な方法と言われていますが、あくまで倫理的に問題がない場合にのみプラセボは用いられます。
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