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リウマチ膠原病内科

外来担当医表

診察場所 初診/再診 診察時間
初診 午前 大重 小西 〇鈴木(勝) 〇鈴木(勝) 〇鈴木(勝)
午後 田畑 鈴木(和)
(第1,3週)
再診 午前 岡野 〇鈴木(勝) 〇鈴木(勝) 〇鈴木(勝)
大重 小西 岡野 小西
午後 牛窪(第2、4週) 羽磨 大重 大重
関節超音波外来 田畑 鈴木(和)
(第1,3週)
関節超音波外来
(第2-第5週)

❄初診は予約制です。
◇印は副院長
〇印は医長

概要・基本方針

 リウマチ膠原病内科は、1980年に専門内科として開設以来、人口約148万人の東京都区西南部二次医療圏(目黒区、世田谷区、渋谷区)のリウマチ膠原病診療の基幹施設として、国立病院機構(NHO)が担う政策医療のうち免疫異常、骨・運動器疾患に対する専門医療を提供しています。
 当科では、1)関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎などの炎症性関節炎、2)全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、特発性炎症性筋疾患、血管炎、シェーグレン病などの膠原病および類縁疾患、3)ベーチェット病、成人発症スティル病、痛風、家族性地中海熱などの自己炎症性疾患の診療を行なっております。

診療の特徴

1. 患者さんと共に考える医療の実践

 患者さんお一人お一人の健康に関する困り事を丁寧に伺い、難解で難病と思われがちなリウマチ膠原病の現在の状態を分かりやすい言葉で整理し、共に考え、その解決に取り組んでいます。

2. 経験豊富な専門医による医療の提供

 リウマチ膠原病の治療は、生物学的製剤などの分子標的治療薬の登場により、画期的な進歩を遂げています。当科では経験豊富な専門医が国際標準とされる先進的な分子標的治療を、安全性に細心の注意を払いながら、個々の病状に合わせて提供しています。

3. 旗艦総合病院における多職種連携体制

 リウマチ膠原病はしばしば全身の臓器に及ぶため、臓器別の専門診療科への受診が必要なこともあります。また、当科領域以外の複数の疾患を合併している方も増えています。当院にはほぼ全ての領域の専門診療科が揃っており、円滑な院内多職種連携により、最適な医療の提供が可能です。免疫調節作用のある点滴や自己注射等の新規治療の導入時には、医師の説明に加え、薬剤師や看護師による日常生活上の注意、自宅における薬剤管理、自己注射技術などについて、丁寧に指導を行なっています。

4. 円滑な地域医療連携の推進

 地域の医療施設から未診断時点での紹介例も多く、早期診断により臓器障害の進展を抑制する治療に繋げています。また、当科の疾患が安定している場合は、地域のリウマチ・膠原病を専門とする診療所へ、日常の医学的管理についてはかかりつけ医療機関に逆紹介し、地域の医療機関との機能分担を推進し円滑な連携を行なっております。

対象とする症状及び疾患

 当科では、下記の症状や検査異常、疾患がある方あるいは疑われている方を対象としております。

全身症状

  • 原因不明の37.5度以上の発熱や倦怠感が長く続いている。(不明熱、全身倦怠感)
  • 周期的に熱がでる。(周期性発熱)
  • 首や脇の下、足の付け根のリンパ節が腫れたり痛みがある。(リンパ節腫脹)

関節症状

  • 朝起きると手や体がこわばる。(朝のこわばり)
  • 関節が腫れて痛みがある。(関節腫脹、関節痛)
  • 筋肉に力が入らない、痛みがある。(筋力低下、筋痛)
  • 原因不明の腰痛が長く続いている。(炎症性腰痛)

皮膚、粘膜症状

  • 寒いときやストレスを感じると、指や足の先が冷たくなり、白色、紫色、赤色になる。(レイノー症状)
  • 手指や足の先の皮膚が硬くなってきた。(皮膚硬化)
  • 足に網目のような模様、痛みや赤みを伴うしこりや潰瘍がある。(網状皮班、結節性紅斑、皮膚潰瘍)
  • まぶたにむくみのある薄紫色の発疹がある。(ヘリオトロープ疹)
  • 手指関節の外側の皮膚に盛り上がった赤色の発疹がある。(ゴットロン疹)
  • 指先がざらざらし、硬い発疹がある。(機械工の手)
  • 日焼けをすると、皮膚に赤み、水ぶくれができる。(光線過敏症)
  • 口の中の粘膜に潰瘍ができ、繰り返す。(口腔内潰瘍)
  • 眼や口が乾く。(眼乾燥(ドライアイ)、口腔乾燥(ドライマウス))

その他の症状

  • 血栓症状、流産を繰り返している。(繰り返す動静脈血栓、習慣性流産)

検査値異常

  • 血液検査で、リウマトイド因子、抗核抗体検査など免疫検査が陽性である。(免疫学的検査異常)

代表的な疾患

(*は厚生労働省の指定難病、番号は告知番号、太字は比較的頻度が高い疾患)

  • 関節リウマチ
  • 封入体筋炎*15
  • 全身性アミロイドーシス*28
  • 高安動脈炎*40
  • 巨細胞性動脈炎*41
  • 結節性多発動脈炎*42
  • 顕微鏡的多発血管炎*43
  • 多発血管炎性肉芽腫症*44
  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症*45
  • 悪性関節リウマチ*46
  • バージャー病*47
  • 原発性抗リン脂質抗体症候群*48
  • 全身性エリテマトーデス*49
  • 全身性強皮症*50
  • 皮膚筋炎/多発性筋炎*51
  • 混合性結合組織病*52
  • シェーグレン症候群*53
  • 成人スチル病*54
  • 再発性多発軟骨炎*55
  • ベーチェット病*56
  • 自己免疫性溶血性貧血*57
  • 特発性血小板減少性紫斑病*58
  • サルコイドーシス*84
  • 肺動脈性肺高血圧症*86
  • 肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症*87
  • 慢性血栓塞栓性肺高血圧症*88
  • 原発性胆汁性胆管炎*93
  • 原発性硬化性胆管炎*94
  • 自己免疫性肝炎*95
  • 好酸球性消化管疾患*98
  • クリオピン関連周期熱症候群*106
  • TNF受容体関連周期性症候群*107
  • 非典型溶血性尿毒症症候群*109
  • ブラウ症候群*110
  • 家族性地中海熱*266
  • 高IgD症候群*267
  • 中條・西村症候群*268
  • 化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群*269
  • 慢性再発性多発性骨髄炎*270
  • 強直性脊椎炎*271
  • IgG4関連疾患*300
  • 特発性多中心性キャッスルマン病*331
  • リウマチ性多発筋痛症
  • RS3PE症候群
  • IgA血管炎
  • クリオグロブリン血症性血管炎
  • 脊椎関節炎
  • 反応性関節炎
  • 乾癬性関節炎
  • 炎症性腸疾患に伴う関節炎
  • 掌蹠膿疱症性骨関節炎
  • SAPHO症候群
  • 痛風
  • 偽痛風
  • 骨粗鬆症

 など

リウマチ膠原病に対する主な分子標的薬の一覧(2025年10月)

作用機序/一般名(商品名) 適応疾患(リウマチ膠原病領域) 投与方法 発売年
TNF阻害
インフリキシマブ(レミケード®)
※バイオシミラーあり
関節リウマチ、関節症性乾癬
強直性脊椎炎、ベーチェット病
点滴静注 2003年
エタネルセプト(エンブレル®)
※バイオシミラーあり
関節リウマチ、若年性特発性関節炎 皮下注射 2005年
アダリムマブ(ヒュミラ®)
※バイオシミラーあり
関節リウマチ、若年性特発性関節炎
関節症性乾癬、強直性脊椎炎
ベーチェット病
皮下注射 2008年
ゴリムマブ(シンポニー®) 関節リウマチ 皮下注射 2011年
セルトリズマブペゴル(シムジア®) 関節リウマチ 皮下注射 2013年
オゾラリズマブ(ナノゾラ®) 関節リウマチ 皮下注射 2022年
IL-6阻害
トシリズマブ(アクテムラ®) 関節リウマチ、若年性特発性関節炎
成人スチル病、キャッスルマン病
高安動脈炎、巨細胞性動脈炎
点滴静注/皮下注射 2008年
サリルマブ(ケブザラ®) 関節リウマチ 皮下注射 2018年
T細胞共刺激阻害
アバタセプト(オレンシア®) 関節リウマチ 点滴静注/皮下注射 2010年
JAK阻害
トファシチニブ(ゼルヤンツ®) 関節リウマチ 経口 2013年
バリシチニブ(オルミエント®) 関節リウマチ 経口 2017年
ペフィシチニブ(スマイラフ®) 関節リウマチ 経口 2019年
ウパダシチニブ(リンヴォック®) 関節リウマチ、関節症性乾癬
強直性脊椎炎
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
経口 2020年
フィルゴチニブ(ジセレカ®) 関節リウマチ 経口 2020年
IL-12/IL-23 p40阻害
ウステキヌマブ(ステラーラ®) 関節症性乾癬 皮下注射 2011年
IL-17A阻害
セクキヌマブ(コセンティクス®) 関節症性乾癬、強直性脊椎炎、
X線基準を満たさない体軸性脊椎炎
皮下注射 2016年
IL-23p19阻害
リサンキズマブ(スキリージ®) 関節症性乾癬、掌蹠膿疱症  皮下注射
(自己注射不可)
2019年
グセルクマブ(トレムフィア®) 関節症性乾癬、掌蹠膿疱症 皮下注射
(自己注射不可)
2019年
IL-5阻害
メポリズマブ(ヌーカラ®) 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 皮下注射 2016年
BLyS阻害
ベリムマブ(ベンリスタ®) 全身性エリテマトーデス 点滴静注/皮下注射 2017年
I型IFN受容体阻害
アニフロルマブ(サフネロー®) 全身性エリテマトーデス 点滴静注 2021年
B細胞阻害
リツキシマブ(リツキサン®)
※バイオシミラーあり
多発血管炎性肉芽腫症
顕微鏡的多発血管炎
ループス腎炎、全身性強皮症
点滴注射 2013年
RANKL阻害
デノスマブ(プラリア®) 骨粗鬆症
関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制
皮下注射 2013年

診療実績

2024年度の外来通院患者数は2,338名、通院患者のべ人数は約10,901名、入院患者数は214名と豊富な診療実績があります。

疾患名(主病名)別の外来および入院患者内訳 (2024年度)

疾患名(主病名) 外来患者数
関節リウマチ 820
悪性関節リウマチ(MRA) 4
全身性エリテマトーデス(SLE) 139
混合性結合組織病(MCTD) 29
シェーグレン病(SjD) 272
抗リン脂質抗体症候群(APS) 9
全身性硬化症 119
特発性炎症性筋疾患・抗ARS抗体症候群 56
大血管炎(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎) 33
結節性多発動脈炎 13
顕微鏡的多発血管炎 22
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 31
多発血管炎性肉芽腫症 8
IgA血管炎 10
その他の血管炎 17
脊椎関節症(強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎) 49
SAPHO症候群 14
掌蹠膿疱症性関節炎 7
成人発症スチル病 11
ベーチェット病 31
リウマチ性多発筋痛症 128
RS3PE症候群 18
再発性多発軟骨炎 3
サルコイドーシス 10
IgG4関連疾患 43
その他膠原病・リウマチ性疾患 107
その他 335
2338
疾患名(主病名) 入院患者数
関節リウマチ 48
悪性関節リウマチ 0
全身性エリテマトーデス 22
混合性結合組織病 2
シェーグレン病 21
全身性硬化症 10
特発性炎症性筋疾患・抗ARS抗体症候群 15
大血管炎(高安動脈炎、巨細胞性動脈炎) 4
結節性多発動脈炎 2
顕微鏡的多発血管炎 13
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 4
多発血管炎性肉芽腫症 7
IgA血管炎 6
その他の血管炎 6
脊椎関節症(強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎) 2
成人発症スチル病 4
ベーチェット病 1
リウマチ性多発筋痛症 13
RS3PE症候群 2
再発性多発軟骨炎 0
IgG4関連疾患 5
その他膠原病・リウマチ性疾患 10
その他 17
合計 214

調査及び研究

科長挨拶

診療体制

 科長1名、副医長1名、医師1名、非常勤医師1名、専攻医1名、招聘医師3名、その他2名の計10名の医師(日本リウマチ学会リウマチ指導医7名、リウマチ専門医9名(2025年10月現在) )が在籍し、専任の医師事務作業補助者1名及び、リウマチ自己注射指導担当薬剤師、看護師、専門外来担当看護師等による多職種チームで高度専門医療を提供しています。

スタッフ紹介

鈴木 勝也
氏名
鈴木 勝也 (すずき かつや)
職名
科長
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医、指導医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
1996年
氏名
大重 達寛 (おおしげ たつひろ)
職名
副医長
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医、指導医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
2014年
氏名
小西 美沙子 (こにし みさこ)
職名
医師
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医、指導医
日本リウマチ学会登録ソノグラファー
日本医師会認定産業医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
2014年
氏名
岡野 裕 (おかの ゆたか)
職名
招聘医師
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本スポーツ協会スポーツドクター
日本パラスポーツ協会認定障がい者スポーツ医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般、痛風
卒業年
1980年
氏名
泉 啓介 (いずみ けいすけ)
職名
非常勤医師
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本アレルギー学会専門医、指導医
日本医師会認定産業医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
2005年
大島 久二
氏名
大島 久二 (おおしま ひさじ)
職名
名誉院長
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般、ステロイド治療
卒業年
1978年
氏名
羽磨 智史 (はま さとし)
職名
招聘医師
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医
日本専門医機構認定内科専門医
日本リウマチ学会登録ソノグラファー
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
2017年
氏名
牛窪 真理 (うしくぼ まり)
職名
医師(臨床検査科)
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医、指導医
日本内科学会総合内科専門医
労働衛生コンサルタント
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
2008年
氏名
鈴木 和子 (すずき かずこ)
職名
招聘医師
資格
日本リウマチ学会リウマチ専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本腎臓学会腎臓専門医
日本透析医学会透析専門医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般、腎疾患全般
卒業年
2004年
氏名
田畑 広樹
職名
専攻医
資格
日本リウマチ学会会員
日本専門医機構認定内科専門医
専門分野
関節リウマチ、膠原病全般
卒業年
2020年
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