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診療看護師

診療看護師とは

 診療看護師(Nurse practitioner: NP)とは5年以上の看護師経験を経たのち大学院修士課程での医学教育を修了し、日本NP教育大学院協議会が実施するNP資格認定試験に合格した看護師です。アメリカでは50年以上の歴史のある職種で、医師からは独立して開業し、診療、検査、処方などを行っています。日本のNPにはこれらの権限は認められていませんが、NPは医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができます。
 国内では2008年からNP養成課程が開始され、全国に1026名(2025年1月時点)のNPがいます。

当院で働く診療看護師について

 独立行政法人国立病院機構ではJapanese Nurse practitioner: JNPとして全国で122名(2023年4月時点)が勤務しており、当院では2012年から採用を開始しました。現在12名(他、非常勤1名)のJNPが所属しており、5名がクリティカルケア支援室、7名が各診療科に配属されております。
 当院のJNPは各診療科での活動の他に、発熱外来や救急外来での診療や静脈確保チーム(PICC挿入チーム)も担っています。
 また教育的な役割も担っており、初期研修医、看護師、その他コメディカルへの教育や特定行為研修者の指導も行っています。当院はNP学生の実習先として指定されており、大学院での講義や実習の指導などNPの養成にも携わっています。

クリティカルケア支援室 3名(他、非常勤1名)
透析室 1名
9階B病棟 1名
救急科 1名
麻酔科 1名
循環器内科 1名
総合内科 1名
一般消化器/乳腺外科 1名
脳神経外科 1名
心臓血管外科 1名

包括同意のお願い

 ここでは、診療をお受けになる患者様に予めご了承頂きたい包括同意に関する事項を掲示させて頂きますので、ご一読ください。

当院で働く診療看護師は、①特定行為と②相対的医行為を実施します。

①特定行為

 特定行為とは、医師の指示に基づいて予め作成した手順書によって「包括的指示」のもと行う診療の補助行為です。厚生労働省が定める38行為があります。

 特定行為の詳細は、厚生労働省ホームページを参照ください。

②相対的医行為

 相対的医行為とは、個々の能力を考慮し、医師の指導監督のもとに看護師等が行う行為(診療の補助)です。

 ①特定行為や②相対的医行為を実施するにあたり、診療看護師は専門的な教育・研修を積んでいます。患者様の病状に応じて必要な検査や処置をタイムリーに提供し、また適切な説明を行うことで、治療と生活の両面から患者様を支援できるよう努めてまいります。

 当院の診療看護師が実施する①特定行為と②相対的医行為に関しましては、この文面をもってご了承(包括同意)頂いたものと判断させて頂きます。ご同意頂けない場合は、病院職員までお申し出下さい。ご同意頂けない場合であっても、治療及び看護上の不利益を被ることはありません。

 皆様のご理解・ご協力をお願い致します。

活動紹介

クリティカルケア支援室

 2022年度からクリティカルケア支援室配属の診療看護師として活動を開始しました。院内の幅広いニーズに応えるため、診療科にとらわれず横断的な活動を担うことを目的としています。現在は主にPICC、PFM(Patient Flow Management)の活動や救急外来、麻酔科、病棟への支援をおこなっています。PFMは、入退院支援センターにおいて一部の手術患者に対して、入院前検査と結果の評価、追加検査の必要性の判断、外来診察の調整をすることで、安心して治療に望めるようにサポートしています。救急外来や麻酔科では医師、看護師、その他の多職種と連携しながら患者が安全に治療を継続できるようケアを提供しています。

救急科

 救急科では2012年度から診療看護師の配属を開始しました。現在1名の診療看護師が所属しており、救急診療・重症集中治療を必要とする患者さんに対して、治療方針に沿った診療の補助を行っております。具体的には救急初療対応、ICU入室早期のリハビリテーション導入、離床前のDVTスクリーニング、栄養管理や嚥下機能の評価などを担当し、他職種と連携しながら診療をサポートしています。
 また、RRT(Rapid Response Team)やRST(Respiratory Support Team)としての院内横断業務や、多職種への教育的な活動も行っています。

麻酔科(手術室)

 当院麻酔科には、2015年度から診療看護師が配属されています。
 麻酔科の仕事は、術前から術後までの周術期全般に渡って手術を受けられる患者様をサポートすることにありますが、診療看護師の主な役割は、術中の全身麻酔管理補助業務と術後疼痛管理です。
 術中は、麻酔科指導医・専門医の指導の下、手術経過や患者様の状況に応じた鎮静・鎮痛薬等の調整を行い、適切な麻酔維持に努めています。また、麻酔中は迅速な判断や対応が求められるため、麻酔科医と密に連携を図りながら、安全確保のための十分な体制整備も行った上で活動しており、大きな合併症を生じることなく今日に至っております。
 そして2020年度からは、術後疼痛管理チーム(APS:Acute pain service)の活動も開始し、麻酔科医・薬剤師と協力して術後ケアの更なる充実に努めています。
 今後も、より良い「周術期医療」「周麻酔期看護」の提供を目指して日々取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

循環器内科

 当院循環器内科では地域の医療機関からの紹介や救急搬送に24時間365日対応しており、すべての心臓大血管の病気に対し、高度かつ最先端の技術を利用した診療を行っています。
 当科では2023年度から診療看護師が1名配属されており、医師と共に業務を行っています。外来では、循環器内科外来の予定外受診や救急搬送患者の対応、病棟では他科から循環器内科へのコンサルテーションの対応を行っています。また、入院患者を担当し、問診、身体診察、心電図検査、心臓超音波検査や、日々の管理や薬剤調整、各種検査を行っています。カテーテル検査・治療に関しては、冠動脈疾患の診断・治療のための待機的/緊急カテーテル検査・治療や、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療の助手も行っています。入院中の管理として食事のコントロールや心臓血管リハビリも重要であり、各部門と積極的に連携を図り、チームとして協働しつつ、患者様にとってよりよい療養環境を提供出来るように取り組んでいます。

総合内科

 総合内科は、地域の複雑内科症例や救急経由患者を多く担当し、総合診療では国内有数の規模を誇る診療科です。診療看護師は診療チームの一員として、指導医のもとで入院から退院まで診療全般を担い、一部外来診療も行なっています。
 ご高齢の方の入院も多く、離床(リハビリ)や食事(嚥下評価)にも診療看護師として力を入れております。また週1回、入院中の患者様のADLや認知機能の維持・向上を目的とした院内デイケアも実施しております。
 医師と看護師の両方の視点を持ちながら、患者様一人ひとりに寄り添った関わりを大切にしています。

一般消化器外科 / 乳腺外科

 東京医療センターの外科には、2013年度から診療看護師が配属されました。
 診療看護師は、医師とチームを組んで一緒に外科の患者さんを担当しています。そのため、看護師よりも医師に近い働きが多くなっており、より侵襲の高い医療行為を実施したり、手術や検査に助手として参加したりすることもあります。
 働き方は医師に近いですが、外科医と違う点は、手術よりも入院患者さんの管理を主な業務としていることです。外科では、手術や処置などで医師が長時間病棟から不在になってしまうことも多いため、その間の患者さんの状態の把握や、変化があった場合の対応をしています。
 外科に診療看護師が配属されたことにより、医師が対応困難な状況でも、以前より迅速な医療の介入ができるようになりました。
 これからも医師・看護師をはじめとした医療スタッフと協力しながら皆様と関わらせて頂ければと思っています。

脳神経外科

 当科の診療看護師は、医師とともに入院患者の診療や手術介助など幅広い分野で働いています。主に、手術で医師が病棟に不在であっても患者さんに対応出来るよう日々働いています。患者さんの身体診察を行い、採血や画像検査の確認、その結果必要な対応をタイムリーにできるよう心がけています。脳血管疾患術後の患者は筋力低下やADLが低下しやすいため、社会生活に戻れるようにリハビリを行うことがとても重要になってきます。早期にリハビリ介入ができるように対応し、食事摂取状況を確認し食事形態の変更をするなどリハビリセラピストと連携を取りながら働いています。
 その他、頭部打撲などの救急車対応も医師と共に初期対応・診察・画像検査や処置を行いスムーズな診療ができるよう対応しています。

心臓血管外科

 心臓血管外科における診療看護師(以下NP)の主な業務は、入院患者の診療(診察、カルテ記載、薬剤や検査等の代行入力、特定行為等)や手術における第1〜3助手、心臓リハビリテーション介入、栄養管理、他科との調整、研修医の実務教育、NP学生の実習指導や大学院での講義等です。手術日や外来診療日は、病棟に医師が不在となるため、NPが入院患者の診療を継続して行っています。NPが手術の助手を行う場合は、医師が入院患者の診療を行っており、その時々の状況に応じて、臨機応変に業務を調整しています。このように、NPが、医師と業務をタスクシフト、タスクシェアリングすることで、心臓血管外科チームとして、どのような状況にも対応出来るような体制作りをしています。NPが診療を行うにあたっては、心臓血管外科医師全員により、日々、on-JT及びoff-JTを通して、教育、指導を受けることで安全性の担保に努めています。

スタッフ紹介

常勤

氏名
栗原 KURIHARA
職名
クリティカルケア支援室 室長
メッセージ
クリティカルケア支援室は平成24年4月に新設され、診療看護師第一期生3名を受け入れ、2025年現在は非常勤1名を含めた13名が所属しています。診療看護師は豊富な経験と知識を有し、医師・看護師両者の視点から患者さんへ医療を提供することが可能です。診療看護師がチームに加わり医師の指導下できめ細かな医療行為を行うことで、当院ではより高度で安全なチーム医療を患者さんへ提供することができています。
氏名
田村 TAMURA
職名
診療看護師 副看護師長
所属科
クリティカルケア支援室
資格
クリティカルケア認定看護師、ICLSインストラクター、JPTECインストラクター、日本DMAT隊員、東京DMAT隊員
主要職歴
2012年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2013年〜2022年
  京医療センター 救急科 所属
2022年〜現在
  東京医療センター クリティカルケア支援室 所属
メッセージ
クリティカルケア認定看護師としての実践の役割に特定行為を活かしながら、患者に必要な処置や看護をタイムリーに提供できるよう、チーム医療の一員として頑張ります。
氏名
堀 HORI
職名
診療看護師
所属科
麻酔科(手術室)
資格
日本麻酔科学会認定 周術期管理チーム看護師、日本麻酔科学会 術後疼痛管理研修修了
主要職歴
2014年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2015年~現在
 東京医療センター 麻酔科 所属
メッセージ
今後も、目の前の1人1人の患者様と真摯に向き合いながら、日々より良い医療の提供を目指して努力していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。
氏名
川村 KAWAMURA
職名
診療看護師、クリティカルケア支援室室長補佐、PICC/ポート支援室室長補佐
所属科
クリティカルケア支援室
資格
保健師、三学会合同呼吸療法認定士、日本麻酔科学会認定 周術期管理チーム看護師
主要職歴
2015年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2016年〜2022年
  東京医療センター 麻酔科 所属
2022年〜現在
  東京医療センター クリティカルケア支援室 所属
メッセージ
横断的な業務には魅力がたくさんあります。
氏名
森泉 MORIIZUMI
職名
診療看護師
所属科
一般消化器外科 / 乳腺外科
主要職歴
2016年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2017年~現在
 東京医療センター 一般消化器外科/乳腺外科 所属
メッセージ
お困りの際はいつでも声を掛けてください。
氏名
利光 TOSHIMITSU
職名
診療看護師
所属科
脳神経外科
資格
東京DMAT隊員
主要職歴
2020年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2021年~現在
 東京医療センター 脳神経外科 所属
メッセージ
脳外科のNPとして日々精進しております!
氏名
中園 NAKAZONO
職名
診療看護師
所属科
クリティカルケア支援室
資格
保健師、三学会合同呼吸療法認定士
主要職歴
2021年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2022年〜現在
 東京医療センター クリティカルケア支援室 所属
氏名
船迫 FUNASAKO
職名
診療看護師
所属科
救急科
主要職歴
2023年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2024年~2025年
 東京医療センター 総合内科 / クリティカルケア支援室 所属
2025年~現在
 東京医療センター 救急科 所属
メッセージ
医療・看護両方の視点から、患者様によい医療が提供できるよう頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。
氏名
村野 MURANO
職名
診療看護師
所属科
総合内科
資格
保健師
主要職歴
2023年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2024年
 東京医療センター クリティカルケア支援室/総合内科 所属
2025年~現在
 東京医療センター 総合内科 所属
メッセージ
医療と看護の二刀流で患者様にタイムリーな医療・看護を提供できるよう励んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
氏名
岩下 IWASHITA
職名
診療看護師
所属科
循環器内科
資格
ACLSコースディレクター、ICLSインストラクター
主要職歴
2023年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2024年〜現在
 東京医療センター 循環器内科 所属
氏名
近藤 KONDO
職名
診療看護師
所属科
クリティカルケア支援室
主要職歴
2024年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2025年~
 東京医療センター クリティカルケア支援室 所属
メッセージ
患者様、家族の架け橋となるよう日々精進して参ります。
氏名
堀内 HORIUCHI
職名
診療看護師
所属科
心臓血管外科
資格
保健師、日本DMAT隊員
主要職歴
2024年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2025年~
 東京医療センター 心臓血管外科 所属
メッセージ
チーム医療の一端を担う事が出来るように研鑽に励んでいきたいと思います。
氏名
丸山 MARUYAMA
職名
診療看護師
所属科
クリティカルケア支援室
資格
東京DMAT隊員
主要職歴
2024年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2025年~
 東京医療センター クリティカルケア支援室 所属
メッセージ
医療の質・安全性を担保し、円滑な医療を提供できるよう日々精進して参ります。

非常勤

氏名
中村 NAKAMURA
職名
診療看護師
所属科
クリティカルケア支援室
主要職歴
2014年
 東京医療保健大学大学院高度実践看護コース卒業
 東京医療センターにて卒後研修
2015年~2022年
 東京医療センター 総合内科 所属
2022年~現在
 東京医療センター クリティカルケア支援室 所属

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