泌尿器科

外来担当医表

診察場所 初診/再診 診察時間
診察室1 初・再診   〇西山 〇西山 〇門間(再診) 飯ヶ谷/香野 〇門間
診察室2 初・再診   服部 矢木 矢木 矢澤(午後) 服部
診察室3   中村 中村 金子 古平 三浦
診察室5     松丸 金子 松尾   松﨑(第1, 3, 5週)

◇印は副院長
〇印は医長

概要・基本方針

患者のみなさまへ

ー患者の皆様に優しく,安全で質の高い医療をめざしていますー

  • 治療の効率化と均一化、また治療がわかり易くする目的でクリニカルパスを積極的に導入しています
  • 病気について的確な説明を心がけています。
  • 他医師のセカンドオピニオンを求めることは患者の皆様の大切な権利ですが,それは当科のスタッフにとっても勉強になることが多く、大いに歓迎いたします。ご希望があれば遠慮なくお申し出下さい。逆に当院でも他院からのセカンドオピニオンを受け付けております。
  • 地域連携室があり、近隣の一般開業医とも積極的に連携しており、当院退院後の経過観察や内服薬の処方などの在宅医療を推進しています。
  • 疼痛の軽減を目的とした緩和治療も積極的に行っています。
  • 積極的な治療・研究を推進しています。また、その実績等を日常診療に還元すべく、学会参加や研究発表も積極的に行っています。

心のこもった最新かつ最良の医療を患者の皆様に還元すべく努力を重ねています。
何か相談や希望等ありましたら当泌尿器科へ御連絡ください。

診療科の特徴

泌尿器科では、副腎、腎臓、尿管、膀胱、尿道などの男女尿路系疾患、および精巣、精巣上体、前立腺などの男性生殖器疾患を扱います。
主に排尿の回数が多い、尿がもれる、尿が出にくい、排尿時に痛みがある、尿に血が混じるなど、排尿に関する異常を扱います。症状がなくても検診などにより異常が指摘されることもあり、これらの異常の原因を診断し治療を行うのが泌尿器科です。その領域は、悪性腫瘍、尿路結石症、尿路性器感染症、前立腺肥大症、過活動膀胱、尿失禁、高血圧や肥満を引き起こす副腎腫瘍、神経因性膀胱など多岐にわたります。

当センターは地域がん診療拠点病院(高度型)であり、当科では悪性疾患の治療に力を入れています。特に前立腺がんについてはロボット支援下内視鏡手術や小線源療法を含めた各種放射線治療で全国でも有数の治療実績があります。また、ロボット支援による手術を腎部分切除および膀胱全摘術にも導入しています。 当科では安全で質の高い医療を患者の皆様に提供することを目指しております。
何かお悩みのことで我々にできることであれば是非お手伝いをさせて下さい。

前立腺癌に対する東京医療センターの取り組み

男性の前立腺癌罹患率は2015年よりトップとなっていますが、その死亡率は6位であり比較的予後の良好な癌とされています。適切な治療を行えば、ステージ3(癌が前立腺被膜を超える状態)であっても10年生存率が100%と報告されています(国立がん研究センター「2008年にがんと診断された患者の10年生存率」の統計より)。ではその適切な治療とは何でしょうか?

ステージ3までの前立腺癌に対する根治療法として手術と放射線治療がありますが、それぞれ治療成績や副作用が異なり、また特に放射線治療についてはさらにいくつかの方法があります。前立腺癌の診断を受けた患者さんとそのご家族は、不安を感じながらも、医師からいくつかの選択肢を提示された後に治療方針の選択をしなければなりません。

東京医療センター泌尿器科では、前立腺癌の治療として手術が中心であった時期より放射線治療の重要性を認識しており、1997年より前立腺癌への組織内照射治療を開始し、2003年からは現在のI-125を使用した小線源治療を本邦で最初に導入しました。外部照射についても、IMRTに加え、現在は定位照射も実施しています。手術については2013年からはダヴィンチによるロボット支援手術も実施しています。

名医のいる病院 がん治療編2024

FOCUS Next (PDF: 381KB)
小線源治療の説明 (PDF: 599KB)

幅広い治療選択肢を患者さんに提示できることが当院の特徴のひとつと考えています。前立腺癌と診断された患者さんの治療選択の一助となれば幸いと考えています。

前立腺癌の診断方法(生検)
前立腺癌に対する治療選択には病変部からの組織標本の採取(針生検)が前提とな るため、生検の方法は、初回診断、監視療法中の再生検、再発診断等の目的により異 なります。生検は経直腸的および経会陰的(テンプレート)にて実施していますが、より 正確な穿刺を目指して、2024年からMRI-超音波融合画像ガイド下に行っています。

MRI-超音波融合画像ガイド下前立腺生検

MRIで異常所見が見られる場合にはその病変を確実に穿刺 することが必要です。従来の方法では、生検部位がそれらと 一致しているかとの検証が困難でしたが、本法では事前に撮 影したMRI画像と生検時の超音波画像を融合させて、より 正確に標的病変からの検体が得られるような生検が可能と なっています。

前立腺肥大症の新しい低侵襲治療

前立腺肥大症の手術方法として、前立腺組織を切除する(TUR-P)、または核出する(TUEB)治療を実施してきました。 これらは排尿症状の改善に非常に有効ではありますが、高齢者や合併症を有する患者さんには注意が必要です。そのような患者さんにも安全に治療ができるように、当科ではいくつかの身体にやさしい治療を実施しています。それぞれの治療法についての使い分け等の詳細については、担当医にご質問ください。

1. 接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP治療)

CVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)は、前立腺の肥大組織に高熱を与え、組織中の水分や血液を一瞬で沸点に到達させて蒸発させ、組織を気化して消失させてしまう全く新しい手術方法です。従来の前立腺肥大症手術と同等以上の効果を見込め、より安全性の高い低侵襲手術です。従来のTUR-P、TUEBと比較して細い内視鏡(22.5Fr)を使用するため尿道狭窄や術後疼痛が少ないことが利点として挙げられます。また、性機能(勃起機能および射精機能)についても、有利とされています。

2. 水蒸気治療(WAVE治療)

WAVE治療ではRezum® system を用いて、103℃の水蒸気を噴霧し組織内温度を70℃まで上昇させることにより、尿道粘膜の障害を可及的抑えながら前立腺組織のみを壊死することが可能です。前立腺体積は30-80mL が推奨されています。外来手術も可能ですが、当院では麻酔科の管理にて疼痛対策を行い1泊2日での治療を行っています。

3. 経尿道的前立腺吊上げ術(UroLift®システム)

UroLift®システムは、従来とは異なるアプローチを使用し、肥大した前立腺組織を持ち上げ、尿道を塞がないように固定することにより前立腺肥大症を治療します。前立腺組織の加熱、切断、除去を要さないことが本法の特徴です。前立腺体積が30~80 mLの側葉肥大症がよい適応とされています。

対象疾患

悪性疾患では、前立腺がん、腎がん、尿路上皮がん(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん)、精巣がん等に対し、手術、放射線治療、化学療法、免疫療法など個々の病状、年齢や家庭環境、患者様ご本人の希望に沿った治療方針で取り組んでいます。

前立腺肥大症、尿路結石、副腎腫瘍、また女性の骨盤内臓器脱や尿失禁などの良性疾患にも積極的に取り組んでいます。

当科では先天奇形、男性不妊、腎移植の診療は行っておりません。

泌尿器科の主な疾患と治療について

ロボット支援内視鏡手術に関して

診療実績

手術名   2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
副腎摘除術 鏡視下 5 3 3 0 3
経皮的腎・尿管砕石術(PNL)   2 4 1 4 3
体外衝撃波砕石術(ESWL)   20 35 32 15 11
根治的腎摘除術 開腹 1 3 2 0 1
鏡視下 8 7 14 5 1
ロボット支援下 0 0 0 2 17
腎部分切除術 ロボット支援下 16 18 16 18 26
腎尿管全摘膀胱部分切除術 開腹 4 0 1 0 1
鏡視下 11 11 11 5 0
ロボット支援下 0 0 10 9 16
腎盂形成術 ロボット支援下 3 7 3 2 2
経尿道的尿管砕石術(TUL)   43 65 52 60 66
膀胱全摘除術 開腹 2 0 0 1 0
ロボット支援下 14 7 11 8 14
(回腸導管造設術) 14 8 10 8 14
(新膀胱造設術) 2 0 1 1 0
経尿道的膀胱腫瘍切除術   137 141 155 135 159
尿失禁手術(TVT、TOT)   4 7 5 8 11
精巣摘出術(非悪性疾患)   3 3 2 3 1
高位精巣摘出術   6 3 10 8 6
精巣固定術
(精巣捻転に対する)
  4 7 2 2 5
前立腺肥大症手術 TUR-P・TUEB 36 20 11 19 19
CVP 1 5 16 13 17
根治的前立腺全摘除術 ロボット支援下 65 86 100 111 94
小線源療法(ヨウ素125)   305 202 190 151 157

スタッフ紹介

 門間 哲雄
氏名
門間 哲雄 (もんま てつお)
職名
科長
卒業年
1988年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本癌治療学会がん治療認定医、第1種放射線取扱主任者
専門分野
泌尿器科領域疾患一般、泌尿器科腫瘍、前立腺癌小線源治療
西山 徹
氏名
西山 徹 (にしやま とおる)
職名
医長
卒業年
1991年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医
専門分野
泌尿器科領域癌治療、神経因性膀胱、尿失禁、女性骨盤手術
矢木 康人
氏名
矢木 康人 (やぎ やすと)
職名
副医長
卒業年
2002年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本癌治療学会がん治療認定医、日本ロボット外科学会国内A級認定医、ロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)
専門分野
ロボット支援手術、小線源療法
服部 盛也
氏名
服部 盛也 (はっとり せいや)
職名
副医長
卒業年
2005年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本癌治療学会がん治療認定医、日本ロボット外科学会国内A級認定医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、ロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、 臨床研修指導医、博士(医学)
専門分野
泌尿器科領域癌治療、ロボット支援手術
中村 憲
氏名
中村 憲 (なかむら けん)
職名
医員
卒業年
2009年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医、手術支援ロボットダビンチ資格認定、日本ロボット外科学会国内B級認定医
専門分野
泌尿器科領域疾患一般、小線源療法
金子 雄太
氏名
金子 雄太 (かねこ ゆうた)
職名
医員
卒業年
2015年
資格
日本泌尿器科学会専門医
専門分野
泌尿器科領域一般、尿路結石
松尾 智誠
氏名
松尾 智誠 (まつお ともまさ)
職名
専攻医
卒業年
2019年
松丸 右京
氏名
松丸 右京 (まつまる うきょう)
職名
専攻医
卒業年
2019年
三浦 数馬
氏名
三浦 数馬 (みうら かずま)
職名
専攻医
卒業年
2021年
松﨑 裕宜
氏名
松﨑 裕宜 (まつざき ゆうき)
職名
専攻医
卒業年
2022年
氏名
飯ケ谷 知彦 (いいがや ともひこ)
職名
非常勤
卒業年
1981年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医
専門分野
泌尿器科領域疾患一般
氏名
矢澤 聰 (やざわ さとし)
職名
非常勤
卒業年
2006年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医
在宅医療
専門分野
泌尿器科領域疾患一般
在宅医療
氏名
古平 喜一郎 (こだいら きいちろう)
職名
非常勤
卒業年
1997年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本癌治療学会がん治療認定医、医学博士
泌尿器腹腔鏡技術認定医
専門分野
泌尿器科領域疾患一般
氏名
香野 友帆 (こうの ゆほ)
職名
非常勤
卒業年
2001年
資格
日本泌尿器科学会専門医・指導医
専門分野
泌尿器科領域疾患一般
婦人泌尿器科疾患
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