放射線治療科

外来担当医表

診察場所 初診/再診 診察時間
診察室1 初・再診   松本 酢谷 松本 征矢野 征矢野
診察室2 初・再診   〇萬 〇萬 〇萬 〇萬 〇萬
診察室3 初診   征矢野 松本 征矢野・酢谷 酢谷 酢谷・松本

◇印は副院長
〇印は医長

概要・基本方針

 従来は放射線科として診断と治療を専門に分けた部門として診療を行っていました。近年は業務の専門化が進み、2013年より独立した中央診療部門として仕事を行っています。放射線治療科は外部照射と小線源治療を柱とする主にがん治療に特化していますが、核医学治療やIVRとは密接に関わることがあります。現在は科長1名、副医長1名、スタッフ2名、非常勤医師5名の体制で外来を主体とした診療を行い、病棟業務は2015年より止め、病院の中央診療部門として他科との診療連携を強化しています。

 放射線治療は主に悪性腫瘍に対して放射線を利用して根治ないし症状緩和のために治療を施すことを目的とします。手術や化学療法に比べ高齢者や合併症のあるがん患者さんにも優しく施せる治療であり、集学的治療の柱です。基本方針は現実に即した臨床腫瘍学を日常診療に活かすことです。技術的には定位照射、強度変調放射線治療+画像誘導や各種呼吸運動対策、さらに密封放射性同位元素による小線源治療を日常診療で利用しています。薬物療法や手術との組み合わせも多数行っています。

診療の特徴

 近年、放射線治療は通院治療が主体となり、適応も拡大し、若年のみならず高齢の患者層も増えています。初期がんの単独治療、進行がんの集学的治療、緩和照射のいずれもニーズが高まり、20年前に比べると当院の治療件数は4倍に増加しています。当院にかかるがん患者さんのうち、半数近くが放射線治療を受けており、これは欧米レベルにほぼ相当します。残念ながら、日本の多くの病院では4人に1人しか放射線治療が利用されていない現状があります。当院で高レベルの治療を可能にしているのは他科との強力な連携であり、各臓器診療科との協力のもとに診療をシームレスに行います。がんに関連する多くの診療科とカンファレンスやキャンサーボードを定期的に行い、呼吸器、消化器、頭頸部、泌尿器科との臓器別カンファレンスのほか、緩和ケア内科、腫瘍内科、整形外科と合同で行う骨転移カンファレンスにも力を入れています。脳脊髄、頭頸部、肺縦隔、乳腺、消化器、婦人科、泌尿器、血液リンパ、肉腫、骨、皮膚のすべての領域の腫瘍に対し、年間800名以上の放射線治療を行っています。特に前立腺癌患者さんの治療実績は世界有数で、超短期ピンポイント(定位)照射、小線源治療、高精度外部照射、術後照射、再発転移への救済・定位照射、緩和照射が年間300名になります。病を治すことは重要ですが、同時に放射線障害を最小限にする新しい技術を投入しています。

 当院が有する2台の放射線治療装置(リニアック)では赤外線と2方向X線撮影、さらにリニアック搭載CTを用い、位置精度の高い治療が可能です。2010年からはIMRT(強度変調放射線治療)を開始し、2013年よりIGRT(画像誘導放射線治療)を加えた回転型IMRTが高精度照射の主力です。2015年以降、脳腫瘍、肺がん、肝がん、腎がん、膵がん、前立腺がんや少数の転移病巣、脊椎転移、再発病巣に対して、ピンポイントの定位放射線治療が開始され、年間200名に達します。前立腺がんや婦人科がんのIMRTは国内でもっとも豊富な実績があり、IMRTは治療件数の半分を超えています。2019年12月に新型治療装置が導入され、より高精度の照射とともに新たに赤外線による皮膚の動きを追尾できるようになり、乳腺などには息止め治療を施行しています。詳細はがん治療センター各部門案内の放射線治療や先端医療の紹介をご覧ください。前立腺、子宮、食道がんなどに対する小線源治療はすでに世界有数の実績を有し、6000名を超える治療件数は国内では最多の実績です。特に小線源とIMRTの併用療法は世界で最大級の経験と成績を有し、前立腺や子宮を中心に年間250名に実施しています。子宮癌に対して麻酔下に術中MRIと腔内・組織内照射併用による最新の画像誘導小線源治療をIMRTと組み合わせる世界標準治療をすでに実施しています。

 高度な技術を支えているのは医学物理士、治療専任技師らであり、充実したスタッフにより放射線治療そのものの品質が保証・管理されています。詳細は部門案内の放射線治療をご参照ください。当科の診療に特記すべき事の一つに、患者さんの弱い立場を考慮して、がん放射線療法認定看護師や専従看護師、がん専門看護師が医師・技師をサポートして患者さんと丁寧に対話するよう心がけています。

スタッフ紹介

萬 篤憲
氏名
萬 篤憲 (よろず あつのり)
職名
部長
卒業年度
1985年卒
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医、日本放射線腫瘍学会研修指導者
専門分野
放射線治療、臨床腫瘍学、小線源治療、緩和医療
メッセージ
患者さんとの対話とがん治療が診療の主体です。
酢谷 真也
氏名
酢谷 真也 (すたに しんや)
職名
医員
卒業年度
2006年卒
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医、日本放射線腫瘍学会研修指導者、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
専門分野
放射線治療
松本 秀樹
氏名
松本 秀樹 (まつもと ひでき)
職名
医員
卒業年度
2014年卒
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
専門分野
放射線治療
征矢野 崇
氏名
征矢野 崇 (そやの たかし)
職名
医員
卒業年度
2013年卒
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医、日本放射線腫瘍学会研修指導者、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
専門分野
放射線治療
戸矢 和仁
氏名
戸矢 和仁 (とや かずひと)
職名
非常勤医師
卒業年度
1990年
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
専門分野
小線源治療
白石 悠
氏名
白石 悠 (しらいし ゆう)
職名
非常勤医師
卒業年度
2004年
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
専門分野
小線源治療
澤田 将史
氏名
澤田 将史 (さわだ まさふみ)
職名
非常勤医師
卒業年度
2013年卒
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
専門分野
小線源治療
大崎 典子
氏名
大崎 典子 (おおさき のりこ)
職名
非常勤医師
卒業年度
2015年卒
資格
日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医
専門分野
放射線治療
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