治験管理室

臨床研究・治験推進室

研究室紹介

臨床研究・治験推進室は、治験主任(薬剤師)が2名、CRCが7名(看護師4名、薬剤師2名、臨床検査技師1名)、事務局員が2名の体制で、責任医師及び分担医師、検査科、放射線科等と治験(医師主導治験を含む。)の実施並びに月1回開催される治験審査委員会・受託研究審査委員会等の運営を行っている部署となります。また、製造販売後臨床試験、製造販売後調査等に関する事務処理を行っている部署となります。

治験の実施状況としては、入院を伴わない「外来での比較的容易な治験」、「生活習慣病等の対象患者数が多い治験」が診療所等での実施に移行しているなか、当院のような急性期総合病院では「抗がん剤、循環器系等の入院を伴う比較的複雑な治験」「希少疾病等、対象患者が少ない治験」を実施しております。

このような治験の実施にあたっての問題として、症例集積性があげられます。

室長 樅山 幸彦

今まで治験の実施に関与する診療科は、外科といったように単一診療科で実施しておりましたが、単一診療科では対象患者が集まらない場合があります。そこで当院では、外科、呼吸器科といった全く異なる診療科にまたがって対象患者を集めるようにしております。従来であれば、主となる診療科に対して、他科から紹介という形をとっていたところですが、当院では紹介いただく診療科の医師にも治験スタッフ(分担医師)として参画いただき、一緒に治験を実施しております。このことにより単一診療科では患者さんが集まりにくかった診療科においても治験を実施することが可能となり、症例集積性も向上しております。

この複数の診療科で治験を実施していくことに関して、当室のCRC・事務局が複数の診療科をまたがって調整しており、スムーズに治験を実施しております。また、この方法は総合病院である特徴を活かした治験の実施と言えます。

臨床研究への参画については、治験事務局が倫理委員会の事務局として、臨床研究事務局業務、倫理審査委員会委員長の初期審査の支援、「臨床研究に関する倫理指針」に準拠した規定及び臨床研究に関する手順書の整備を実施しております。また、今まで医師のみで実施されていた機構本部のEBM推進のための大規模臨床研究にCRCがコーディネーターとして参画し、EDCへの入力等を行い、医師の負担軽減につながっています。CRCが係わることにより、より信頼性のある研究の実施が可能となります。

さらに、日本の医療水準の向上のため、エビデンスのある臨床研究がもとめられており、当室においても積極的に支援する体制整備を進めております。

今般、「臨床研究・治験活性化5カ年計画2012(平成24年3月 文部科学省・厚生労働省)」が出され、その目標として、「1.日本の国民に医療上必要な医薬品・医療機器を迅速に届ける。2.日本初のシーズによるイノベーションの進展、実用化につなげる。3.市販後の医薬品・医療機器の組み合わせにより、最適な治療法を見出すためのエビデンスの構築を進める。」が掲げられ、「日本の医療水準の向上・日本発のイノベーションを世界に発信」となっております。当該治験管理室もこの臨床研究・治験活性化5カ年計画2012」を継続していくための協議会の事務局の一端を担っており、この目標に沿って日々業務に励んでおります。

治験管理室員は、患者さんの命と健康を守るという絶対的な使命感に基づき、より安全な医薬品等を、より早く患者さんの手に届けられるように業務を遂行いたします。また、臨床研究においてもより積極的に支援してまいります。

expand_less