・呼吸器内科サブスペシャルティコース
後期研修をお考えの初期研修医の皆様へ
呼吸器内科
はじめに
呼吸器内科は悪性腫瘍(肺癌)、アレルギー性疾患(気管支喘息)、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎などの慢性呼吸不全の原因となる疾患、そしてCOVID-19も含む呼吸器感染症など、幅広い疾患に対応する診療科です。しかしながら、これらの疾患を専門的にあつかう呼吸器専門医の数はまだ十分とはいえず、慢性的に不足している状態です。
東京医療センター呼吸器内科の後期研修では、将来的に呼吸器専門医の資格を取得するべく、そのために必要な経験を積んでいただくことを目的としています。当院は 日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本アレルギー学会 の認定施設です。
2025年度もレジデントの先生を募集しています!!
働き方改革として、夜間は内科当直が病棟対応してくれますので、オンオフをつけた研修が可能です!
病院見学について
随時見学可能です。研修内容の確認はもちろんのこと、診療科の雰囲気を知るためにもぜひ見学に来てください。見学のご希望は病院ホームページから申し込みをお願いします。
後期研修プログラム
研修プログラムの枠組みは、当院の 内科専門医育成プログラムに準拠しています。その中で、早期から呼吸器内科の専門性が高い研修を提供できるのが以下の2コースです。
呼吸器内科サブスペシャリティ重点コース
卒後3年目から 呼吸器内科を重点的に研修できます。かつ、内科専門医取得のために必要な症例を充足するために、一定期間、他の内科系診療科も研修できる仕組みとなっています。3年間の研修終了時に 総合内科専門医、最短でその1年後に 呼吸器内科専門医が取得できる可能性があります。
呼吸器内科サブスペシャリティ混合コース
上記サブスペシャリティ重点コース と 全般コース(3か月を1コマとして、呼吸器内科を含む内科系診療科(神経、循環器、血液、消化器、腎臓・内分泌・膠原病、総合内科)をすべてローテート)の中間的性格のコースです。違いは専門研修期間が4年である点です。研修終了時に総合内科専門医、最短で同年度に呼吸器内科専門医が取得できる可能性があります。
呼吸器科の診療体制・実績
呼吸器内科はアレルギー科と共同診療をしています(アレルギー科は気管支喘息が中心ですので、特殊なアレルギー疾患を担当することはありません)。年間のべ約800例の入院患者を診療しています。スタッフは、呼吸器内科科長(アレルギー科科長併任)1名、医長1名、医員4名の計6名で、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器内視鏡学会の専門医や指導医がいます。専攻医の皆さんはスタッフの指導のもと、呼吸器内科の入院患者を担当します(平均10名程度)。
治療選択肢がますます増えて複雑化している肺癌診療については、呼吸器内科・呼吸器外科・放射線治療科の3科が集まる呼吸器科キャンサーボードを週2回開催しており、最適な治療を皆で協議して決めています。手術や放射線治療も含めた肺癌診療を学ぶ良い機会になります。
気管支鏡検査は呼吸器内科医にとって必要な検査手技です。当院では、年間200件ほど施行しています。平均1例/週は担当できますので、1年でかなり上達していただけます。
週間予定 | |||||
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月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | |
午前 | 病棟 | 病棟 | 気管支鏡 | 病棟 | 気管支鏡 |
午後 | 病棟 | 病棟 | 病棟 | 病棟 | 病棟 |
夕 | キャンサーボード 気管支鏡カンファレンス |
キャンサーボード 気管支鏡カンファレンス |
*年次によっては初診外来や再診外来も研修することができます
学術的な活動
呼吸器専門医になるためには日常臨床における経験も重要ですが、学術的な活動も必要となります。1年に1回は、何らかの学会(総会あるいは地方会)で発表(症例報告あるいは臨床研究)していただきます。論文化も含め、科長・医員が全力でサポートします。
2021年度に当院から専攻医の先生に発表していただいた内容は以下の通りです。
学会報告(2021年度、専攻医の先生のみ)
- 松山笑子、持丸貴生、池田隼樹、寺師義直、八木翔汰、堀口寿里安、加治正憲、栗原桃子、佐藤碧、渡瀬麻友子、渡辺理沙、額賀重成、里見良輔、小山孝彦、小山田吉孝
悪性胸水に対する胸膜癒着術成否の新規予測因子の検討
第61回日本呼吸器学会学術講演会(令和3年4月23日、東京) - 渡瀬麻友子、持丸貴生、池田隼樹、寺師義直、八木翔汰、堀口寿里安、松山笑子、加治正憲、栗原桃子、佐藤碧、渡辺理沙、額賀重成、里見良輔、小山孝彦、小山田吉孝
PF-ILDの臨床的特徴と予後予測因子の検討
第61回日本呼吸器学会学術講演会(令和3年4月25日、東京) - 池田隼樹、持丸貴生、松山笑子、寺師義直、八木翔汰、堀口寿里安、加治正憲、栗原桃子、佐藤碧、渡瀬麻友子、渡辺理沙、額賀重成、里見良輔、小山孝彦、小山田吉孝
気胸に対する胸膜癒着術の効果予測因子の検討
第61回日本呼吸器学会学術講演会(令和3年4月23-25日、東京) - 八木翔汰、額賀重成、池田隼樹、寺師義直、堀口寿里安、松山笑子、加治正憲、栗原桃子、佐藤碧、渡瀬麻友子、渡辺理沙、持丸貴生、里見良輔、小山孝彦、前島新史、小山田吉孝
化学療法・放射線治療に抵抗性を示したSTK11、KEAP1遺伝子変異を伴うKRAS遺伝子変異陽性肺腺癌の1例
第244回日本呼吸器学会関東地方会(令和3年5月29日、東京) - 佐藤碧、渡辺理沙、八木翔太、松山笑子、栗原桃子、額賀重成、持丸貴生、里見良輔、小山田吉孝
ICI使用後に薬剤性器質化肺炎と間質性腎炎を合併し、腎炎に対してのみPSL加療を要した原発性肺腺癌の一例
第245回日本呼吸器学会関東地方会(令和3年7月10日)
おわりに
呼吸器内科の臨床は、急性/慢性、軽症/重症、良性/悪性をほどよいバランスで経験することができます。また、病因的にも腫瘍、炎症、アレルギー・自己免疫など多岐にわたり、常に刺激を受けることができる奥の深さも備えています。
2025年度もレジデントの先生を募集しています!! 是非たくさんの方に呼吸器内科の一員になっていただき、質の高い呼吸器臨床を目指そうではありませんか。興味のある方はお気軽に問い合わせ下さい。皆様と一緒に働けることを心待ちにしています。