・神経内科サブスペシャルティコース
診療科の概要
東京都区西南部地域(目黒・渋谷・世田谷)急性期医療機関での脳神経内科診療
救命救急センターを有する急性期病院で、各診療科がそろっている病院での脳神経疾患の診療を行っています。神経救急疾患を中心として脳卒中はもちろんのこと、神経免疫疾患、神経感染症、てんかん などを幅広く診療しています。専門医を取得するために必要な症例についても質的にも数としても問題なく、直接診断、治療を行うことで 専門医としての経験、修練を積むことができる環境にあります。
敷地内の住居への入居は基本的に可能であり、専攻医宿舎は費用的にも負担が少なく、居住環境も良いので研修への専念も可能です。初期研修医や同世代の他科の医師との交流も活発で研修や臨床経験も切磋琢磨してながら積むことができます。
スタッフ
- スタッフ
- 3名(医長 1名)
- レジデント
- 診療科専従:1名
内科ローテーション:1名
- 診療科専従:1名
- 診療科全体の医師数
- 4名
うち専門指導医数:3名
- 4名
専門研修プログラム名および全研修期間 (うち東京医療センター以外での研修期間)
国立病院機構東京医療センター内科専攻医プログラム
3年~5年
全研修期間のスケジュール例
例 内科サブスペシャルティ重点コース (3~5年コース)
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
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1年次 | 脳神経内科 | 選択科 | 選択科 | 選択科 | ||||||||
2年次 | 連携施設研修 | 選択科 | 選択科 | 選択科 | ||||||||
3年次 | 連携施設研修 | 脳神経内科 | ||||||||||
4年次 | 脳神経内科 | |||||||||||
5年次 | 内科専門医試験受験・神経内科専門医試験受験 |
*選択科:他科研修を希望しない場合は 脳神経内科での研修
年次ごとの主な流れ
研修項目 | 研修場所・内容 | 研修期間 |
---|---|---|
1年目~3年目(脳神経内科所属の時期) | ||
臨床神経 | 神経内科入院患者を中心とした診療 | 6~12ヶ月 |
筋電図 脳波 |
神経生理学会専門医の指導のもとで検査を施行 | |
神経放射線 | 神経内科/放射線科にて指導医の下で研修 | |
選択 | 院内内科系他科ローテート 内科他科、脳外科、救急科、精神科 リハビリテーション他 |
1~6ヶ月 |
2年目~3年目 | ||
内科全般 臨床神経 |
他施設での研修 大学病院・国立病院機構・近隣専門病院 |
12ヶ月 |
(4~5) 年目 | ||
臨床神経 | 病棟:神経内科チーフレジデント | 12~24か月 |
外来:指導医の下で外来患者の診療 | ||
選択 | 希望により、専門施設において指導医の下で研修 筋疾患・筋病理、てんかん、神経病理、他 |
0~12か月 |
臨床研究 | 東京医療センターにて臨床研究 | 0~24か月 |
希望により関連施設にて臨床研究、基礎研究 | 0~12か月 |
プログラムの特徴
- 将来設計にあわせて おのおののレジデント/専攻医の希望に配慮した研修プランが実施できる。
- 他病院との交流実績(慢性期疾患;筋ジストロフィーなどを専門とする国立病院機構関連の医療機関)もあり、希望が応じてカリキュラムに盛り込める。
- 連携施設は近隣にもあり、個人の社会状況や希望に応じたカリキュラムも設定もできる。
- 大学病院や他の医療機関からの研修者も随時受け入れている。
症例数一覧(2020年度 入院実績)
症例 | 数(年間) | |
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1 | 脳出血 | 81 |
2 | 脳梗塞 | 165 |
3 | TIA・その他の脳血管障害 | 15 |
4 | アルツハイマー病・その他の認知症 | 2 |
5 | パーキンソン病・パーキンソン病関連疾患 | 29 |
6 | 多系統萎縮症 | 5 |
7 | 脊髄小脳変性症 | 1 |
8 | 筋萎縮性側索硬化症 | 13 |
9 | 多発性硬化症・NMO | 11 |
10 | 髄膜炎・脳炎・膿瘍 | 12 |
11 | 脳腫瘍 | 3 |
12 | 正常圧水頭症 | 1 |
13 | 脊髄炎 | 2 |
14 | その他の脊髄疾患(脊髄梗塞) | 8 |
15 | ギラン・バレー症候群・フィッシャー症候群 | 3 |
16 | その他のニューロパチー | 6 |
17 | 筋疾患 | 2 |
18 | 重症筋無力症 | 6 |
19 | てんかん・痙攣・不随意運動 | 47 |
20 | 頭痛・めまい | 5 |
手技・検査・手術等一覧(2017年度実績)
手技・検査・手術 等 | 数(年間) | |
---|---|---|
1 | 筋電図/ 神経伝導検査 | 75 |
2 | 筋生検 | 1 |
3 | 脳波判読 | 450 |
施設認定
- 内科学会
- 神経学会
- 脳卒中学会
での認定があり、当院のみでの研修で専門医受験資格は得られます。
連携施設
- 国立病院機構(東埼玉病院、箱根病院、埼玉病院 など)
- 慶応義塾大学病院
- 国家公務員共済会組合関東中央病院
- 東邦大学医療センター大橋病院
- 国家公務員共済組合立川病院
- さいたま市立病院
他
当直業務等
当直は内科全体の当直体制に参加しています。毎月土曜日曜祝日に1回、平日1~2回前後です。
オンコール体制での休日の診療援助(救急外来患者や他科入院患者を対象)を行っています。
週末・夜間は交代制で病棟からの急変時などの連絡に対応します。(いずれも自宅を含め他院外待機で可)
週間スケジュール (一例)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 外来 | チャートカンファレンス | チャートカンファレンス | ||
筋電図 | 筋電図 | 外来 | |||
午後 | 脳波判読 | 新入院 回診 | 筋電図 | ||
リハビリカンファレンス (月1回) |
抄読会/勉強会 |
各カンファレンスの解説
チャートカンファレンス | 入院全患者の病状/診断、治療の検討確認 |
---|---|
リハビリカンファレンス | リハビリテーション科医師、療法士と 合同での入院症例の検討会 |
抄読会 | 初期研修医とともに 論文を抄読する |
研修修了後の進路
研修後の進路は、各個人のキャリアアップを目指す中で、当院での勤務、大学院への進学、大学病院での勤務、他の病院(国立病院機構、公立病院ほか)での勤務と過去の研修修了者を振り返っても様々です。
細かな支援し希望に添えるようにしています。
例)当院専攻医修了後
- 大学病院での研修 大学院への進学した女性医師
- 常勤医師となった後、てんかん専門病院へと転勤
- 当院常勤医師として勤務継続中
- 他の病院勤務を希望して、近県の公立病院脳神経内科常勤医師として勤務
など 全員が神経専門医を当院または転勤先で取得しています。
研修中の専攻医の声
卒後6年目、脳神経内科後期研修医として4年目の医師です。
当科は三次救急病院のため神経救急疾患(脳血管障害、痙攣/てんかん、神経感染症、自己免疫性炎症疾患)が多く経験できます。目黒区の中核病院として変性疾患、筋疾患があつまり症例が非常に豊富です。神経伝導検査・針筋電図や脳波読影などの神経電気生理検査の症例数も多く、筋生検も神経内科医師自らで行います。
また、中心静脈カテーテル、経口気管内挿管等の救急時に必要な手技も身につき、血行再建(血栓溶解療法、血栓回収療法)も脳神経外科と合同で行っています。急性期疾患から慢性期疾患まで経験できること、脳神経内科として必要な検査・手技が身につくこと、スタッフ同士が非常に仲の良いところが当院神経内科の魅力だと思います。
指導医の声
東京医療センターは東京都区西南部保険医療圏での中核病院であり、3次救急の受け入れをしています。
そのため、脳神経内科は神経救急疾患を中心として診療を行い、脳卒中一次センターとしての役割分担をはたすとともに、免疫疾患(視神経脊髄炎、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、CIDP、多発性硬化症)、感染症(脳炎、髄膜炎、プリオン病)、変性疾患(パーキンソン病類縁疾患、脊髄小脳変性症、認知症)などの多彩な疾患を有した方の診療に当たる事が出来ます。他の診療科も活動的で多彩な疾患を病院として扱っていることから、複数診療科が関わるような脳神経疾患を容易に経験できます。今まで学んできた知識を実地で活かす良き機会が得られます。
このような経験から今後の脳神経内科医としての礎になるような実用的な経験が積めることがお約束できる病院であり、診療科です。我々とともに悩みや苦労を分かち合い、この貴重な数年間を過ごしましょう。
病院見学について
病院見学は適宜受け付けています。窓口は当院へメールで申し込んで下さい。当科の雰囲気を確認しにきてください。
最後に
内科学会内科専門医、神経学会神経内科専門医、脳卒中学会専門医を取得する際に必要な症例は当院での研修で十分を得られます。各分野の指導医が在籍しており、取得に向けた指導は当院での研修で得られます。専門医試験を受験するために希望があれば延長して在籍することにも対応できます。
診療科内の人員が多くはなく、年齢層も20歳台~50歳台と各年齢層に分散していることでもあり、自由で親しみやすい雰囲気を維持しています。病院としても20~30歳台の多くの医師が在籍し、ほとんどが敷地内の宿舎に居住しています。
立場はスタッフ、レジデント/専攻医、初期研修医などと異なりますが、同世代の医師とのつながりを持ち、互いに “教え” “教えられ” ることで一つの診療科内に留まることなく、切磋琢磨できる環境があります。是非そのような環境に身をおいてみませんか?