専門研修プログラムの詳細等

基本方針

独立行政法人国立病院機構東京医療センター(以下東京医療センターと略す)を基幹施設とする専門研修プログラムでは、医師として、また産婦人科医師として、基本的診療能力や幅広い知識を研修プログラムの中で共通課題として確実に習得し、社会に貢献することを目標としている。

指導体制

本プログラムはコンパクトな施設群での十分な研修が特徴であり、各施設で指導医と専攻医が顔の見える良い関係を作ることができます。 産婦人科の救急疾患および一般診療の症例数が豊富であり、common diseaseに対する診療研修を重点的に行うことが可能です。当院は、他の診療科や部門との連携も緊密であり様々な症例に対する包括的な診療を迅速に行うことが可能で、活発にそれらの人たちとのディスカッションも行われています。また、近年産婦人科専門医が身につけるべき技術である内視鏡手術にも力を入れており、専攻医研修として十分な環境が整っていると考えられます。専攻医研修においてはOn the Job Training(OJT)が必須ですが、安全性や研修効率の点からすべてのOJTは必ず上級医指導の下で行われます。

研修一年目では、正常分娩の標準的な取り扱いができることを目標として内診、パルトグラム記載、胎児心拍モニターの判読、分娩時の会陰保護や会陰切開・縫合をまず習得してもらいます。また、最も基本的な産科手術手技として帝王切開の第一助手を行い、手術の手順を習得したと判断されれば執刀医として手術を遂行してもらいます。その他一年目での研修目標としは、術者として実施する手術として腹式子宮全摘術、子宮内容除去術、第一助手として実施する手術として腹腔鏡下付属器摘出術、腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術、腹腔鏡下異所性妊娠手術などを挙げています。また、手術以外の診療としては悪性腫瘍症例に対する集学的治療の一環として化学療法の理論と実際について習得することを目標としています。

当院での研修が2年目には、次のステップとして外来診療から手術・分娩までの一連の流れを主体的に実践してもらうことを基本とし、手術としては、さらに悪性腫瘍手術の第一助手、腹腔鏡下付属器摘出術や卵巣嚢腫摘出術の術者、腹腔鏡下子宮全摘術の第一助手、ロボット支援下手術の第一助手などを目標として研修を行います。

ただし、上記に示したのはあくまでも一例です。各々の専攻医が自分の進捗に合わせて着実に研修を行うことをめざしており、ゆっくり研修を進めることも早く進めることもできます。

研究活動としては、カンファレンスでの症例提示や抄読会に加えて、学会発表や論文執筆を積極的に行います。

スタッフ

  • スタッフ
    • 7名(科長、常勤、非常勤の合計)
  • レジデント
    • 8名(レジデント4年目:1名 3年目:1名 2年目:3名 1年目:3名)
  • 診療科全体の医師数
    • 14名(男性:3名、女性11名)
      うち専門指導医数:4名

専門研修プログラム名および全研修期間(うち東京医療センター以外での研修期間)

国立病院機構東京医療センター産婦人科研修プログラム
3年間(原則として1年間)

全研修期間のスケジュール例

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年 東京医療センター産婦人科
2年 連携施設(東京都) 連携施設(東京都/千葉県)
3年 東京医療センター産婦人科

特色・特徴

  • 首都圏を中心としたコンパクトでアットホームな研修環境
  • 指導医と専攻医と顔の見える環境
  • 手術症例と分娩が多い! 専門医に必要な基礎能力の習得に最適
  • 個人の進捗に合わせた教育計画。3年以上かかっても大丈夫です。
  • プログラムの定員 3名/年(毎年変わります)
  • 令和5年度の採用者数:3名

症例数一覧(2023年実績)

症例 数(年間)
1 婦人科悪性腫瘍治療実数(新規) 136
2 女性のヘルスケア診療実数 100

手技・検査・手術等一覧(2023年実績)

手技・検査・手術等 件数(年間)
1 分娩 428
2 帝王切開 128
3 開腹手術(帝王切開除く) 58
4 腹腔鏡手術 244
5 膣式手術 17
6 婦人科悪性腫瘍手術(浸潤癌) 121
7 生殖補助医療 0
8 ロボット支援下手術 52

施設認定

  • 日本婦人科腫瘍学会修練施設
  • 日本臨床細胞学会教育認定施設
  • 日本周産期・新生児医学会周産期専門医暫定認定施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設

連携施設

  • 慶應義塾大学病院
  • 杏林大学医学部付属病院
  • ローズレディースクリニック
  • 東京歯科大学市川病院
  • さいたま市立病院
  • 稲城市立病院

当直業務等

当直は月3-4回、オンコールは月1-2回です(人員の増減により変動の可能性はあります)。

週間スケジュール

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前   回診      
手術 手術 手術 手術 手術
病棟 病棟 病棟 病棟 病棟
外来 外来 外来 外来 外来
午後 手術 手術 手術 手術 手術
病棟 病棟 病棟 病棟 病棟
    全体カンファレンス   周産期カンファレンス
  ★★      

★ 細胞診カンファレンス(1回/月)
★★ 周産期メンタルヘルスケアカンファレンス(隔月)

その他

  • 腹腔鏡手術トレーニング(セミドライ) 4回/年
  • 腹腔鏡手術トレーニング(アニマルラボ) 1回/年
  • 手術支援ロボット手術トレーニング(セミドライ) 1回/年
  • 鉗子・吸引実技トレーニング(ファントムを用いたトレーニング) 1回/年

研修修了後の進路

研修修了後には産婦人科専門医受験資格が得られます。
慶應義塾大学をはじめ、他大学の医局への入局も紹介可能です。

過去5年間、当院で研修を行ったレジデントの進路先
慶應義塾大学:3名 杏林大学:2名 東邦大学:1名 市中病院:2名

病院見学について

随時受け付けておりますが、水曜日は手術が無いことが多いため、手術見学希望者は、他の曜日にお越しください。

取得可能な専門医資格

  • 日本婦人科腫瘍学会修練施設
  • 日本臨床細胞学会教育認定施設
  • 日本周産期・新生児医学会周産期専門医暫定認定施設
  • 日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
  • 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医認定研修施設

◎令和7年度(2025年度)後期研修医募集について

2025年4月採用の産婦人科専門研修プログラムとして3名募集しております。
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