外科プログラム

診療科の概要

東京医療センター外科では、消化器外科、乳腺外科、血管外科を合わせて毎年1300件程度の手術を行っています。
当院は『地域がん診療拠点病院(高度型)』に指定されているため、当科でもがん治療に重点を置いています。治療は手術が中心ですが、他科とも連携を取りながら内視鏡治療、化学療法、放射線治療、緩和医療も行っています。
一方、当院は救命救急センターを有する『急性期総合病院』としての役割も果たしているため、緊急症例に対しても24時間対応可能な体制をとっており、多彩な症例を経験することができます。
各領域の専門家がそろっており、特に消化器外科手術に関しては、腹腔鏡手術を積極的に行っています。日本内視鏡外科学会技術認定医が4名所属しており、胃がん、直腸がんに対してはロボット支援下手術(ダビンチ)を導入するなど、市中総合病院でありながら、最先端の治療について学ぶことができます。指導医と後期研修医の距離も近く、和気あいあいとした雰囲気の中で、研修を行うことができます。

スタッフ

  • スタッフ
    • 11名(医長、常勤、非常勤の合計)
  • レジデント
    • 6名
  • 診療科全体の医師数
    • 17名(男性:13名、女性:4名)
      うち専門指導医数:9名

専門研修プログラム名および全研修期間(うち東京医療センター以外での研修期間)

国立病院機構東京医療センター外科専門研修プログラム
全研修期間 基本的に3年間(最低6か月以上、連携施設での研修を含む)

全研修期間のスケジュール例

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年 東京医療センター
2年 東京医療センター 連携施設 東京医療センター
3年 東京医療センター

プログラムの特徴

  • 連携施設での研修を含む3年間の研修で外科専門医取得に必要な症例数を経験することができる。
  • 各領域のがん症例はもちろん、虫垂炎、胆石症、鼠径ヘルニアなどの一般消化器外科症例、緊急症例も多く経験することができる。
  • 希望があれば東京医療センター内で呼吸器外科、心臓血管外科を研修することも可能。
  • 院内での腹腔鏡手技トレーニング環境が充実しており、国立病院機構で定期的に開催している腹腔鏡手術セミナーへの参加も可能。
  • 学会(日本外科学会、日本消化器外科学会、日本臨床外科学会、日本内視鏡外科学会など)への参加、発表、論文執筆指導も積極的に行っている。
  • プログラムの定員 4名/年 
  • 2020年度の採用者数:2名 

症例数一覧(2019年度実績)

疾患名または術式 手術件数
(鏡視下手術)
上部消化管 食道がん 7(4)
胃がん 46(34)
(ロボット手術) -15
穿孔性胃・十二指腸潰瘍 12(10)
内視鏡的胃瘻造設術(PEG) 63
下部消化管 結腸がん 101(84)
直腸がん 31(26)
肝胆膵 肝切除 18(15)
膵切除 20(3)
胆嚢摘出術 93(93)
総胆管切石術 3(3)
血管 腹部大動脈瘤(ステントグラフト内挿術) 33(31)
閉塞性動脈硬化症(PAD) 91
下肢静脈瘤 76
シャント治療 104
その他 12
乳腺 乳がん 284
その他 虫垂切除 86(84)
鼠径ヘルニア 139(87)

施設認定

  • 日本外科学会専門医制度修練施設
  • 日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設
  • 日本胃癌学会胃癌全国登録事業参加施設
  • 日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設B
  • 日本胆道学会認定指導施設
  • 日本乳癌学会認定施設
  • ステントグラフト実施認定施設
  • 心臓血管外科専門医認定機構基幹施設
  • 日本呼吸器外科学会専門医育成基幹施設
  • 日本臨床腫瘍学会研修施設
  • 日本腹部救急医学会認定医・教育医制度認定施設
  • 日本集中治療医学会専門医研修施設

連携施設

  • 国立病院機構相模原病院外科
  • 国立成育医療研修センター外科
  • 国立病院機構新潟病院外科
  • 日本医科大学付属病院高度救命救急センター
  • 済生会横浜市東部病院(新規相互連携申請手続き中)

当直業務等

当直 1-2回/月、オンコール 8-10回/月

週間スケジュール

   
8時-8時30分 入院カンファレンス      
8時-8時30分 抄読会            
9時- 手術    
9時- 病棟業務    
9時-12時 午前外来    
13時-17時15分 午後外来    
9時-12時 内視鏡検査        
13時- 検査・処置など    
15時-17時15分 術前カンファレンス            

研修修了後の進路

当院での外科専門研修プログラム終了後には、日本外科学会専門医を取得することが可能となります。
引き続き当院で外科領域(主に消化器外科専門医)のサブスペシャリティ領域専門研修を引き続き行っていただくことを想定していますが、大学病院や他の一般病院への入局など、個々の希望に応じて可能な限りサポートさせていただきます。

研修中の専攻医の声

東京医療センターの外科研修では上級医の人数が豊富で専門分野も多岐にわたっているため、幅広い分野で多くの症例を経験することができます。また、科内の雰囲気も良く、上級医への相談や方針の確認などは気軽に行えます。外科専属の診療看護師も2名所属しており(2021年度現在)、日々の病棟管理などのサポートをしてもらえるので、手術や勉強に集中して取り組む環境が整っています。また、大規模病院であるため、手術症例とレジデントの人数のバランスもとれており、外科研修を行う病院としてはかなりおすすめできると思います。

指導医の声

東京医療センター外科では、気さくで教育熱心な指導医や同僚と共に、多くの症例を通して充実した研修を送ることができます。疾患や解剖の理解、手技の上達度に合わせて、任される手術の助手や執刀の機会も増えていくため、外科医としての自分の成長を実感できるはずです。やる気、熱意、向上心のある仲間をお待ちしています。

病院見学について

当科での後期研修に興味をお持ちの方は、随時見学、面談を受け付けておりますので、遠慮なくお問い合わせください。

後期研修

当科では卒後3年目から1~3年間の後期研修医(専攻医)研修にも力を入れています。

新専門医制度下では、専攻医が医師として必要な基本的診療能力を習得すること、専攻医が外科領域の専門的診療能力を習得すること、これらに関する知識・技能・態度と高い倫理性を備えることにより、患者に信頼され、標準的な医療を提供でき、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、患者への責任を果たせる外科専門医となること、外科領域全般からサブスペシャルティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科)またはそれに準じた外科関連領域(乳腺や内分泌領域)の専門研修を行い、それぞれの領域の専門医取得へと連動することを目指したプログラムを組んでおります。

当科が基幹施設となっている外科専門研修プログラムでは国立病院機構の3施設と国立の小児医療専門施設および大学の高度救命救急センターで病院施設群を構成し、合計13名の専門研修指導医が専攻医を指導します。専攻医はこれらの施設群をローテートすること により、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。これらの各施設は、外科学会の専門医制度において既に連携して専門医取得のための教育に当たっており、本研修プログラムの専攻医採用実績は、2018年度1名、2019年度1名です。

この他、慶應義塾大学外科、東邦大学大森病院外科、藤田医科大学外科、東京医科歯科大学高度救命救急センター基幹プログラムに連携施設として参加しております。
 研修ご希望の方は一度見学に来られて下さい。

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