泌尿器科プログラム

診療科の概要

当科のモットーは「団結」で、皆が協力し合って多くの仕事をこなしています。手術が多く(月~金、毎日が手術日)、外来患者数も多いため、この協力がないとやっていけません。現在、常勤する泌尿器科医は11人(うちレジデント5人)、その他、泌尿器科には臨床研究のためのデータ管理や医局員のサポートをする専属秘書が2人、診断書の作成などを行う文書支援係が1人いて、この人達も団結のメンバーです。また、泌尿器科の外来は受診する患者数が多く、月曜日や水曜日は1日250人を超します。外来看護師は5人、外来クラークも2人いますが、全員で協力し合わないと溢れる患者をさばくことができません。患者をなるべく待たさず、業務を時間までに終わらせるのもやはり団結があってこそ叶うことです。
当科は小児の先天奇形、腎移植、不妊を除く泌尿器科疾患を扱いますが、大きな特徴は前立腺癌の患者が非常に多いことです。全国でも前立腺癌治療に関しては屈指の施設になっています。ロボット手術、小線源治療、外照射治療、いずれの治療も高いレベルで実施されており、遠方からも多くの方が当院での治療を希望し来院しています。
毎年若い専攻医が新たに団結の輪に加っています。是非君も! 定員は毎年2名です。

スタッフ

  • スタッフ
    • 6名
  • レジデント
    • 5名
  • 診療科全体の医師数
    • 11名(男性:9名、女性:2名)
      うち専門指導医数:6名

専門研修プログラム名および全研修期間 (うち東京医療センター以外での研修期間)

東京山の手泌尿器科専門研修施設群専門研修プログラム
4年間(2~3年目の2年間)

全研修期間のスケジュール例

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年 東京医療センター
2年 連携施設
3年 連携施設
4年 東京医療センター

プログラムの特徴

  • 本専門研修プログラムの連携施設は地域、大学の枠を超えた研修施設群が形成されています。
  • また、独特な医療圏にあり、本土とは異なった疫学性のある琉球大学が加わっている点も特色の一つです。
  • 4年間の専門研修期間の間、基幹施設のみならず、連携施設である大学病院においても先進医療を経験し、都市型大病院と大学病院の両方において知識と技術を習得できる機会をもうけ、泌尿器科医としての経験をより深いものにすると同時に、将来進む方向を決める上でより広い視野を育成できるようなプログラムになっています。
  • また、連携施設である都立小児総合医療センターおよび東邦大学医療センター大森病院腎臓学講座では泌尿器科の重要な一分野である血液透析・腎移植を小児と成人両方で経験することができます。
  • 東京都立小児総合医療センターにおいてはさらに先天性疾患をはじめ、小児泌尿器科の専門性の高い診療を経験することになります。
  • その一方で研修期間中には必ず研修協力施設である地域の病院やクリニックにおいても診療を経験し、地域医療の意義や病診連携の重要性を理解できるようになっています。将来開業や地域医療への従事を考えている医師には貴重な経験になるはずですし、病院に勤務していく医師にとっても病診連携の重要性を理解するいい機会になるはずです。
  • 泌尿器科医は外科医でありその神髄は手術です。本専門研修プログラムの目標は一般的な目標に加え、「手術が得意な泌尿器科医の育成」を挙げています。手術が得意になるためには若い頃から多くの手術を経験することが重要です。
  • 基幹施設の東京医療センターでは常に若い医師が上級医の指導のもと手術を執刀しています。研修開始と同時にダヴィンチのライセンスをとり、ロボット手術を実施しています。
  • 連携施設は全て症例数の多い施設であり、そこにおいても同様のポリシーで専攻医の育成にあたります。4年間の研修期間を終了し、専門医になる時点では泌尿器科領域の一般的な手術は全て独り立ちできる技量を獲得しているはずです。
  • 基幹施設においては臨床に従事すると同時に臨床研究も経験してもらうことになります。東京医療センターは悪性腫瘍の症例数が多く、特に前立腺癌診療に関しては国内屈指の施設です。多くの症例から得られる臨床データは今後の医療の発展に不可欠なものですので、臨床研究を通してそれを公に示していくことは、臨床医の責務の一つになります。
  • 4年間の研修期間中、連携の大学病院を一施設は経験してもらうことになります。その間は必ず基礎研究の一端にも触れ、医師の学者としてのリサーチマインドを認識してもらうことになります。
  • 東京医療センターのような都市型大病院は大学病院に匹敵した臨床症例数があり、先端医療を経験できることに合わせ、大学病院にはない自由度を兼ね備えています。そのような施設で専門研修を行うことは将来に向けての視野が広がることになり、専門医になった際の方向性を見極める上で貴重な経験になるはずです。
  • さらに連携施設の腎センターと小児病院での専門領域の研修、大学病院での臨床と研究を経験することができ、「東京山の手泌尿器科専門研修プログラム」は充実した内容で理想的なものとなっています。
  • プログラムの定員 2名/年
  • 令和3年度の採用者数: 2名

施設認定

  • 東京山の手泌尿器科専門研修施設
  • 日本がん治療認定施設

連携施設

  • 慶應義塾大学病院
  • 埼玉医科大学国際医療センター
  • 琉球大学病院
  • 中部徳洲会病院
  • 川崎市立川崎病院
  • 東京都立小児総合医療センター
  • 東邦大学腎臓学講座

当直業務等

泌尿器科の当直は外科当直と一体化しており、月に1人1回程度行うことになります。科のオンコールはレジデントと上級医がペアとなって行っており、週1~2回あります。入院患者やかかりつけ患者に対し、必要に応じて対応することになりますが、多くは電話での対応です。

診療実績

週間スケジュール

 
午前       7時-
泌尿器科カンファレンス
8時-
泌尿器科術後カンファレンス
8時30分-
病棟総回診
8時30分-
​病棟総回診
8時30分-
​病棟総回診
8時30分-
​病棟総回診
8時30分-
​病棟総回診
9時-
外来診察・入院患者処置
手術
9時-
入院患者処置・手術
9時-
入院患者処置・手術
9時-
手術
9時-
手術
11時-
病棟カンファレンス
    10時-
小線源治療
 
午後 13時-
小線源治療
手術(女性骨盤手術)
13時-
手術
13時-
泌尿器科外来専門検査
(膀胱鏡、エコー検査など)
13時-
手術
小線源治療
13時-
手術
13時-
泌尿器科外来専門検査
(膀胱鏡、エコー検査など)
17時-
病棟スタッフ回診
17時-
病棟回診
17時-
​病棟回診
17時-
​病棟回診
17時-
​病棟回診
17時30分-
勉強会
17時30分-
放射線科合同カンファレンス
     

各カンファレンスの解説

泌尿器科カンファレンス 泌尿器科医師全員が参加するカンファレンスで週1回行われる。
翌週の入院患者の治療方針や手術方法を検討し、さらには合併症などの確認を行う。
治療方針を主治医だけで決定するのではなく、スタッフ全員で検討することで最善の方針を見いだす。
泌尿器科術後カンファレンス ※1
病棟カンファレンス 病棟担当医と看護師とで行うカンファレンスで週1回行われる
。入院患者の今後の方針を医師から説明し、また、患者の問題点を医師、看護師双方からあげて検討する。
放射線科合同カンファレンス ※2

※1、※2) 本来実施すべきカンファレンスだが、働き方改革の影響で勤務時間外にカンファレンスが実施できず、現在検討中。

研修修了後の進路

4年間の専門研修終了後はそれぞれの進路において泌尿器科専門医として臨床に携わり、また後輩の指導にあたることになる。進路としては、

  1. 東京医療センターでの勤務を継続(その時点での状況による)
  2. 希望する他の施設での勤務(各自で応募)
  3. 大学の医局員となる(各自で応募)

などがあり得る。また、泌尿器科領域のサブスペシャリストの分野は多数あるが、特に腎移植、小児泌尿器科はその特殊性が高い。4年間のプログラム内にこれらの専門分野の研修は含まれているが、研修終了後さらにスペシャリストとして研鑽を専門施設で積むことは可能である。
研修4年目以降には東京医療センターに在籍して勤務を行いつつ連携大学院(慶應義塾大学、東邦大学)に進学することは可能であるが、その時点での状況をふまえ、相談することになる。

研修中の専攻医の声

泌尿器科は外科系の科であって手術が最も重要な要素と考えている。東京医療センターの「東京山の手泌尿器科専門研修プログラム」が目指す「手術の得意な泌尿器科医の育成」に共感を持ちこのプログラムに応募した。研修が始まり数ヶ月が経過したが、癌治療を中心に多くの手術症例があり、充実した日々を送っている。特に今後手術手技の中心なると思われるロボット手術も症例が多く、高い技術で治療が行われている。ロボット手術を始め、研修早期から全ての種類の手術に参加できることが嬉しく、さらに1年目から技術に見合った手術も執刀させてもらっている。
 東京医療センターは泌尿器科専門医が6名、そのうち4人が指導医であり、教育環境としては恵まれている。毎年専攻医が入っているが各年の人数が多くないため、自身で経験できる症例数が多いところが所帯の大きな大学病院と比べての最大の利点である。また、2−3年目に出張する施設も症例数の多いところであり、実際そこに出張している先輩の話しを聞いても日々の充実ぶりがうかがえる。
東京医療センターでは前立腺癌をはじめ癌治療に関し多くの臨床研究がなされており、国内外の学会で発表されている。学会への参加も奨励されており、専攻研修を始めてまだ数ヶ月だが、日本泌尿器科学会、アメリカ泌尿器科学会に参加して勉強ができ、とてもいい経験になった。

指導医の声

泌尿器科における専門研修プログラムの多くは大学病院が基幹病院になっているが、東京医療センターの「東京山の手泌尿器科専門研修プログラム」は数少ない一般病院を基幹病院としたプログラムである。4年間の専門研修のうち、原則2年半を連携病院で研修するが、連携病院には大学病院も含まれておりそこでは基礎研究も経験できることになっている。他の連携病院も地域の拠点病院となっているような症例数の多い施設であり、4年間の研修で数多くのロボット手術や開創手術を経験することができる。当プログラムが目指すものは「手術の得意な泌尿器科医の育成」であり、専攻医1年目から全ての手術に参加して技術の修得をうながしている。
専攻医にとって手術と同等に臨床研究も重要である。医師は科学者でもあり、教科書や文献を通じて病態を深く理解することが重要であると同時に、臨床研究を通じて新たな見解を見いだし、その成果を学会で発表してさらには論文としてより多くの人に知らしめることも必要である。東京医療センターおよび連携病院はいずれも症例数の多い病院であり、臨床研究を行なうには適した環境にある。
「東京山の手泌尿器科専門研修プログラム」に参加する者は優れた臨床医であると同時に優れた科学者でもあるような医師として成長し、有能な泌尿器科専門医になってもらいたいと考えている。

病院見学について

泌尿器科の見学は適宜可能だが、手術日の見学が望ましいと思われる。手術は水曜日を除き毎日行われているが、木曜日が最も手術件数が多く、小線源療法、ロボット手術を含めて多彩な手術が行われるため見学日に適していると考える。

後期研修(専門研修)

後期研修(専門研修)

泌尿器科専門医は2年間の初期臨床研修が終了し、専門研修が開始された段階から4年間の研修で育成されます。原則的には4年間のうち1年次の研修を基幹施設(東京医療センター泌尿器科)で行い、その後2年次、3年次の研修は連携施設で行います。そのうちの最低1年は連携施設の大学病院(慶応義塾大学病院、埼玉医科大学国際医療センター、琉球大学病院)のうちの一つで行うことになります。4年時の研修は再び基幹施設で行いますが、そのうちの3ヶ月間を連携施設である東京都立小児総合医療センターに出向き小児泌尿器科や小児腎移植の研修を行い、また別の3ヶ月間はやはり連携施設の東邦大学医療センター大森病院腎臓学講座に出向き腎不全や腎移植の研修を行います。4年目の研修期間中は週に1回程度、研修協力病院および泌尿器科クリニックにて診療を行い、泌尿器科常勤医のいない病院や小規模クリニックでの泌尿器科診療を経験することになります。

本専門研修プログラムの連携施設は地域、大学の枠を超えた研修施設群が形成されています。また、独特な医療圏にあり、本土とは異なった疫学性のある琉球大学および中部徳洲会病院が加わっている点も特色の一つです。4年間の専門研修期間の間、基幹施設のみならず、連携施設である大学病院においても先進医療を経験し、都市型大病院と大学病院と両方において知識と技術を習得できる機会をもうけ、泌尿器科医としての経験をより深いものにすると同時に、将来進む方向を決める上でより広い視野を育成できるようなプログラムになっています。また、連携施設である都立小児総合医療センターおよび東邦大学医療センター大森病院腎臓学講座では泌尿器科の重要な一分野である血液透析・腎移植を小児と成人両方で経験することができます。東京都立小児総合医療センターにおいてはさらに先天性疾患をはじめ、小児泌尿器科の専門性の高い診療を経験することになります。その一方で研修期間中には必ず研修協力施設である地域の病院やクリニックにおいても診療を経験し、地域医療の意義や病診連携の重要性を理解できるようになっています。将来開業や地域医療への従事を考えている医師には貴重な経験になるはずですし、病院に勤務していく医師にとっても病診連携の重要性を理解するいい機会になるはずです。

 泌尿器科医は外科医でありその神髄は手術です。本専門研修プログラムの目標は一般的な目標に加え、「手術が得意な泌尿器科医の育成」を挙げています。手術が得意になるためには若い頃から多くの手術を経験することが重要です。基幹施設の東京医療センターでは常に若い医師が上級医の指導のもと手術を執刀しています。研修開始と同時にダヴィンチのライセンスをとり、ロボット手術を実施しています。連携施設は全て症例数の多い施設であり、そこにおいても同様のポリシーで専攻医の育成にあたります。4年間の研修期間を終了し、専門医になる時点では泌尿器科領域の一般的な手術は全て独り立ちできる技量を獲得しているはずです。

 基幹施設においては臨床に従事すると同時に臨床研究も経験してもらうことになります。東京医療センターは悪性腫瘍の症例数が多く、特に前立腺癌診療に関しては国内屈指の施設です。多くの症例から得られる臨床データは今後の医療の発展に不可欠なものですので、臨床研究を通してそれを公に示していくことは、臨床医の責務の一つになります。4年間の研修期間中、連携の大学病院を一施設は経験してもらうことになります。その間は必ず基礎研究の一端にも触れ、医師の学者としてのリサーチマインドを認識してもらうことになります。

 東京医療センターのような都市型大病院は大学病院に匹敵した臨床症例数があり、先端医療を経験できることに合わせ、大学病院にはない自由度を兼ね備えています。そのような施設で専門研修を行うことは将来に向けての視野が広がることになり、専門医になった際の方向性を見極める上で貴重な経験になるはずです。さらに連携施設の腎センターと小児病院での専門領域の研修、大学病院での臨床と研究を経験することができ、「東京山の手泌尿器科専門研修プログラム」は充実した内容で理想的なものとなっています。

後期研修ご希望の方はぜひ見学にいらしてください。

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