乳腺X線検査
乳房撮影(マンモグラフィ)とは
専用の乳房X線撮影装置で乳房を圧迫して撮影し、そのX線の吸収差をフィルムに写す検査です。
このマンモグラフィによって触診では発見できない小さなしこりや乳腺の乱れ、微細石灰化などを明瞭に写し出し早期の乳がんを見つけることができます。また、今回撮影した写真を以前のものと比較することによって乳房組織の微妙な変化がわかります。
検査の種類
ルーチン検査(通常の撮影)
撮影装置の前に立ち、左右の乳房を片方ずつ撮影台の上にのせて、乳房を圧迫板で挟んで撮影します。通常では片方2方向ずつ撮影するので合わせて4回撮影することになります。検査にかかる時間は15分程度です。
*当院のマンモグラフィ検査は全て女性診療放射線技師が対応しております
乳房の圧迫について
マンモグラフィで乳房を圧迫する理由としては次のようなことが挙げられます
- 立体的な乳房を圧迫して平らにすることで乳腺や脂肪と重なっていた病変が分離して、より見えやすくなる
- 圧迫することにより厚さが薄くなり、被曝線量を少なくすることができる
- 乳房が固定されるので体の動きによるボケが防止できる
乳房を圧迫する際には痛みを伴う場合がありますが、良い画像を得るためにとても大切なことなので、ほんの少しの間がんばってください。また、体の力をぬいてリラックスすることにより痛みを減少させることができます。
拡大スポット撮影(追加の撮影)
乳房の一部分を圧迫して撮影し、拡大させることにより微細石灰化の形やしこりの辺縁の診断に有用です。
マンモトーム生検
マンモトームとは、吸引式の乳房組織生検装置のことです。わずか4mmの針を乳房に挿入し、吸引を行いながら病変が疑われる組織を切り離し採取します。その組織の病理結果により良悪性の判定を行うことができます。
特徴
- 傷痕は5mm以下の小さな傷です
- 乳房の変形もありません
- 麻酔をするので生検時の痛みはほとんどありません
- 検査時間は30~40分で、入院も不要です
検査の注意事項
- 撮影する範囲は乳房から脇の下を含めた部分になりますので検査時は上半身の衣類を脱いでいただきます また、ネックレスやイヤリングなどは外します
- 長い髪は束ねておいてください
- ご自分で気になるところ(しこりなど)がありましたら、撮影技師にお伝えください。 正しい撮影と診断に役立ちます
- マンモグラフィを受ける時期は、排卵後から月経が始まる頃までは乳房が硬くなり圧迫による痛みが強くなることがあるので生理が終わって1週間位が適しています
マンモグラフィ検診施設画像認定 取得
当院では2014年3月より新しく乳房X線撮影装置が更新され、腫瘤や石灰化、その他の所見をより高い精度で評価することが可能になりました。2017年8月には「マンモグラフィ検診施設画像認定」に合格しました。3年に一度更新する認定資格となっており、最近では2021年2月に認定資格を更新しています。
マンモグラフィ検診施設画像認定とは日本乳がん検診精度管理中央機構(以下精中機構とあらわす)が乳房X線写真の精度向上と維持を目的として、乳房撮影機器や撮影されたX線写真、また撮影に要したX線量(被曝線量)などを総合的に評価し、基準をみたした施設を認定するものです。
また、マンモグラフィ検診では撮影や読影にかなり高い精度や技術が要求されるので精中機構では医師や撮影技師に対する教育研修と評価認定を行っています。当院でも撮影や読影の研修を経て、この認定資格を有した読影医と診療放射線技師がおり、乳がんに対する早期発見に力をそそいでいます。