プルヴィクト®静注を用いたRI内用療法
去勢抵抗性前立腺がんとは?
前立腺がんは、アンドロゲンという男性ホルモンを利用して増えるがんであり、男性ホルモンを抑制するホルモン療法(内分泌療法)が有効です。しかし、ホルモン療法によって、アンドロゲンが体内にほとんど存在しない状態(去勢状態)であるにもかかわらず、がんが再び増殖・進行してしまうことがあります。このような前立腺がんのことを「去勢抵抗性前立腺がん」といい、遠隔転移の有無により非転移性去勢抵抗性前立腺がんと、転移性去勢抵抗性前立腺がんに分類されます。
放射性リガンド療法とは?
放射性リガンド療法は、放射線を放出するお薬を注射して、からだの中で放射線をがん細胞に照射し、がんを攻撃する治療です。ここで使用する治療薬は、「177Lu-PSMA-617(プルヴィクト®静注)」といい、放射線を放出する放射性物質(ルテチウム-177)とリガンドがリンカーという部分でつながった構造をしています。リガンドは特定のタンパク質に結合する物質で、本治療では前立腺がんの細胞表面に多く存在するPSMA(前立腺特異的膜抗原)というタンパク質がこれにあたり、プルヴィクト®静注とPSMAが結合することで、がん細胞の内部に取り込まれます。プルヴィクト®静注は、がん細胞の内部でベータ(β)線、ガンマ(γ)線といった放射線を放出し、β線が前立腺がん細胞を攻撃します。
治療スケジュール
治療は6週間おきに最大6回実施します。全ての治療が終了するには8ヵ月程度かかります。
入院について
- 投与前日に入院していただきます。
入院する病室は一般の病室ではなく、「特別措置病室」という病室になります。
特別措置病室は放射線を遮るための鉛衝立(遮蔽板)が設置され、汚染拡大防止のために養生された病室になります。
- 入院当日に尿の取扱いについて説明・練習をします。
投与された治療薬の多くが尿から排出されるため、通常のトイレに流すことができません。そのため、入院中は簡易トイレを使用し、尿は蓄尿していただきます。
- 投与当日は病室で点滴ルートを入れ、核医学センターへ移動し、治療薬の投与を行います。
- 治療薬を投与します。
- 医療従事者と病棟へ戻ります。放射線量が退出のための定められた基準値(退出基準)を下回るまでは注意事項に従って特別措置病室でお過ごしいただきます。
- 投与翌日に治療薬が病変部に取り込まれていることを確認するため、1時間程度の画像検査を行います。医療従事者が病室まで迎えに行きます。
- 線量測定を行い、放射線量が退出基準を下回ったことが確認できてからの退院となります。
*放射線量が退出基準より高い場合は退院が延期になる場合があります。
主な副作用について
プルヴィクト®静注を投与すると、以下のような副作⽤があらわれることがあります。
注意すべき副作⽤
- ⾻髄抑制
- 腎機能障害
その他の副作⽤
- 味覚不全(味覚の変化)
- ⼝内乾燥
- 悪⼼(吐き気)、嘔吐
- 下痢、便秘
- 疲労、⾷欲減退
※副作⽤には個⼈差があります。また、ここに取り上げた症状がプルヴィクト®静注のすべての副作⽤ではありません。
※副作⽤があらわれた場合は、投与を中断したり、プルヴィクト®静注を減量したりすることがあります。
※気になる症状があれば、医師や看護師、診療放射線技師などの医療スタッフにご相談ください。
治療関連サイト
詳しく知りたい方は、以下の参考資料をご覧ください。
治療を受けたい方は
当院の泌尿器科を受診してください。