乳腺科:乳がん
はじめに
乳腺科では、3人の専門医が、年間約 350例の乳がん治療を行っています。ご紹介いただいた患者さんは、速やかな治療開始を常に心がけています。
外科医はもとより、形成外科医、病理診断を行う病理医、放射線治療を行う放射線科医、化学療法を担う腫瘍専門医、乳癌認定看護師、癌薬物療法専門薬剤師のすべてが経験豊富であり、連携してチーム医療を行っております。乳癌患者さんのがんサロンや、レクリエーションとしてハイキングなども実施しています。
診療の特徴
- 迅速かつ正確な診断:初診で受診された方は当日に、生検まで実施し、1週間以内に病理診断が確定されています。非触知の病変に対しては、超音波およびX線ステレオガイドの生検を積極的に実施しています。
- 整容性を損なわない外科治療:当科の乳房温存率は60%以上あり、患者さんの乳房を出来る限り残す様に努めています。また、全摘例には積極的に同時再建手術を行っています。乳房喪失に伴う精神的な負担を少なくしています。
- スペシャリストの連携:診断および治療方針の決定に際して、綿密なカンファレンスを実施し、細かな点まで納得の行く診療を心掛けています。
当科で実施している先進医療・臨床試験
- ラジオ波アブレーション治療。(患者申し出制度)
- 頭皮冷却装置を用いた、抗癌剤投与に伴う脱毛の予防法。(日常診療として実施しています)
- 非浸潤性乳管癌の非手術療法(JCOG試験)
- ポリゴン法による病理断端診断(NHO研究)
治療実績
2019年 乳がん手術
症例名 | 症例数 |
---|---|
乳房全摘 | 114 (40.1%) |
乳房温存手術 | 170 (59.9%) |
腋窩リンパ節郭清 | 48 (16.9%) |
センチネルリンパ節生検 | 216 (76.1%) |
乳房再建 | 28(9.9%) |
全例 | 284 |
スタッフ紹介
- 氏名
- 木下 貴之 (きのした たかゆき)
- 役職
- 副院長
- 専門医・認定資格
- 乳腺指導医・専門医、外科学会指導医・専門医、がん治療暫定教育医・認定医、マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医(A)
- 専門分野
- 乳腺外科
- 外来日
- 火
- メッセージ
- 高度医療評価制度下のラジオ波熱焼灼療法(RFA)=非切除治療の研究責任者。形成外科と緊密に連携して整容性の高い乳房再建も実施しています。
- 氏名
- 松井 哲 (まつい あきら)
- 役職
- 科長
- 専門医・認定資格
- 乳腺指導医・専門医、外科学会指導医・専門医、がん治療暫定教育医・認定医、マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医(AS)
- 専門分野
- 乳腺外科、化学療法
- 外来日
- 月・水・金
- メッセージ
- 地域の医療連携を推進し、地域完結型の高度な医療の実践に努めています。遺伝性乳癌卵巣癌症候群に対しての遺伝子診断を推進し、変異陽性症例には予防切除術も実施しています。
- 氏名
- 中小路 絢子 (なかしょうじ あやこ)
- 役職
- 医員
- 専門医・認定資格
- 乳腺専門医、外科学会専門医、がん治療認定医機構がん治療認定医、マンモグラフィ精度管理中央委員会読影認定医(A)
- 専門分野
- 乳腺外科、化学療法
- 外来日
- 火
- メッセージ
- 患者さんに寄り添い、納得のいく説明を心がけています。癌の遺伝子情報に基づく個別化された治療を実践すべく、トランスレーショナル研究にも励んでいます。