血液内科:血液腫瘍

造血器腫瘍について

造血器腫瘍の主なものは、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫です。免疫に関与する細胞自体が異常になるため、他の悪性腫瘍よりも強い免疫不全状態を生じやすく、血小板減少やDICの合併による出血を起こしやすいといった特徴があります。

また、中枢神経も含めた全身のあらゆる臓器に容易に浸潤します。急性白血病や中~高悪性度のリンパ腫では全身的な抗癌剤投与が治療の基本となり、治療中は骨髄抑制によりさらに感染、出血を起こしやすくなります。

 

診療の特徴

当院ではエビデンスに基づく標準治療を中心に行っています。7階A病棟に無菌室2床と準無菌室9床(個室 1, 4人部屋 2)を有しており、通常の化学療法に加えて、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫に対して自家移植も行っています。患者さんの状態を確認しながら安全に化学療法を行えるよう、医師、看護師、薬剤師合同による病棟カンファレンスを行っています。
近年は外来通院ベースでの化学療法が増えており、特に慢性白血病や低悪性度リンパ腫、多発性骨髄腫では、従来の細胞傷害性抗癌剤を使用しない治療が主流となってきています。外来治療においても、通院治療センターや薬剤部等と連携し、患者さんが安心して化学療法を受けていただけるよう心がけています。

地域の先生方へメッセージ

原因不明の血球減少など造血器腫瘍の疑われる患者さんがいらっしゃいましたらご紹介ください。
月曜日~金曜日の平日は毎日交代で初診と再診を行っておりますので、下記から予約をお取りいただければと存じます。急を要する患者さんの場合は、血液内科あてに直接お電話下さい。
発熱がある場合は、診療や入院に特別な配慮が必要になる可能性がありますので、ご紹介いただく際にあらかじめその旨をご一報いただきますようお願い申し上げます。
現在当院では同種移植を休止しており、必要に応じて慶應義塾大学病院をはじめとした移植施設に紹介させていただきます。

診療実績

無菌室(7階A病棟)
無菌室(7階A病棟)
2019年度造血器腫瘍新規患者
症例名 患者数
急性骨髄性白血病 21
急性リンパ性白血病 1
慢性骨髄性白血病 14
慢性リンパ性白血病 4
ホジキンリンパ腫 1
非ホジキンリンパ腫 56
多発性骨髄腫 9
骨髄増殖性腫瘍(真性多血症、本態性血小板血症など) 21

造血幹細胞移植の年度別症例数

2019年度
症例名 症例数
自家移植 6
同種移植 0
合計 6
2018年度
症例名 症例数
自家移植 4
同種移植 0
合計 4
2017年度
症例名 症例数
自家移植 9
同種移植 6
合計 15
2016年度
症例名 症例数
自家移植 4
同種移植 6
合計 10
2015年度
症例名 症例数
自家移植 4
同種移植 9
合計 13
2014年度以前
症例名 症例数
自家移植 78
同種移植 131
合計 209
合計
症例名 症例数
自家移植 105
同種移植 152
合計 257

スタッフ紹介

上野 博則
氏名
上野 博則 (うえの ひろのり)
役職
科長
卒業年度
1989年
出身大学
慶應義塾大学卒
専門医・認定資格
内科学会総合内科専門医・指導医、血液学会専門医・指導医、造血細胞移植学会移植認定医、非血縁者間移植調整医師
外来日
月・水
横山 明弘
氏名
横山 明弘 (よこやま あきひろ)
役職
医長
卒業年度
1991年
出身大学
昭和大学卒
専門医・認定資格
血液管理室長、内科学会総合内科専門医・指導医、血液学会専門医・指導医・評議員、がん治療認定機構がん治療認定医、造血細胞移植学会移植認定医・評議員、輸血学会認定医・細胞治療認定管理師・自己血輸血責任医師、日本骨髄腫学会代議員、臨床遺伝専門医、医学博士
外来日
火・木
籠尾 壽哉
氏名
籠尾 壽哉 (かごお としや)
役職
医員
卒業年度
2006年
出身大学
慶應義塾大学卒
専門医・認定資格
総合内科専門医・指導医、血液学会専門医
外来日
月・金
柴山 貴宏
氏名
柴山 貴宏 (しばやま たかひろ)
役職
専攻医
卒業年度
2017年
出身大学
九州大学卒
主要職歴
2019年 東京医療センターにて初期研修終了
2022年 内科専門研修終了
西山 理沙
氏名
西山 理沙 (にしやま りさ)
役職
専攻医
卒業年度
2018年
出身大学
山梨大学卒
主要職歴
2020年 災害医療センターにて初期研修終了
井口 豊崇
氏名
井口 豊崇 (いぐち とよたか)
役職
非常勤
卒業年度
1996年
出身大学
慶應義塾大学卒
専門医・認定資格
総合内科専門医・認定内科医、血液学会専門医・指導医、がん治療認定医機構がん治療認定医、医学博士
外来日
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