整形外科:悪性骨・軟部腫瘍

はじめに

当院は、都内で数少ない骨・軟部腫瘍専門施設として、平成29年10月10日に骨・軟部腫瘍センターを開設致しました。骨・軟部腫瘍は骨や軟部組織に発生する腫瘍性疾患の総称であり、原発性悪性骨・軟部腫瘍(肉腫)は希少がんに分類され、非常にまれな疾患です。そして、原発性悪性骨・軟部腫瘍の診断・治療は高い専門性が求められます。
また、他の臓器に発生したがんの骨転移に対する院内対応の専門外来も設置して骨転移患者さんのQOL改善にも努めています。

診療の特徴

すべての骨・軟部腫瘍に対応すべく2名の日本整形外科学会認定骨・軟部腫瘍医が治療にあたり、放射線診断医、病理診断医と連携して診療を行っています。また、がん専門病院では治療が難しい合併症(心臓病や糖尿病など)を有する患者に対しても他の診療科の協力を得ながら安全に治療を行っており、特に高齢者の悪性骨・軟部腫瘍の診療実績が多くあります。

骨・軟部腫瘍に関するセカンドオピニオンに関しては、海外からを含む多くの相談実績があり、診断、治療方針に迷う症例の相談を常時受け入れています。骨転移に関しては早期から治療介入を行い、がんロコモを解決し、自身の力で動けることを重視しています。

腫瘍用人工関節を用いた患肢温存手術<br/>(悪性骨腫瘍)
腫瘍用人工関節を用いた患肢温存手術
(悪性骨腫瘍)
遊離皮弁を併用した広範切除<br/>(悪性軟部腫瘍)
遊離皮弁を併用した広範切除
(悪性軟部腫瘍)

当科で実施している先進医療・臨床試験

当院はがんゲノム医療連携病院にも指定されており、治療選択肢の少ない肉腫診療に先端医療機関としてゲノム医療を提供する体制が整っています。

診療科からのメッセージ

骨X線検査やMRIで異常が見つかった、体にしこりがあるなど、骨・軟部腫瘍が疑われる患者さんがいらしたらお気軽に相談ください。

治療実績

悪性骨・軟部腫瘍の病理診断は、国立がん研究センターと連携して行っています。手術に関しては液体窒素処理骨移植、腫瘍用人工関節を用いた患肢温存手術、遊離皮弁を併用した広範切除を施行しています。また、骨巨細胞腫に対するデノスマブを用いた薬物治療の実績はわが国有数で、これにより可能な限り機能温存を目指した治療を行っています。

スタッフ紹介

森岡 秀夫
氏名
森岡 秀夫 (もりおか ひでお)
役職
整形外科科長、骨・軟部腫瘍センター長
専門医・認定資格
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定骨・軟部腫瘍医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本がん治療認定医機構認定医、日本リウマチ学会専門医
専門分野
骨・軟部腫瘍、骨転移
外来日
整形外科 火(午前)、骨・軟部腫瘍センター 火(午後)、骨転移外来 火(午後)*
実績
日本骨軟部肉腫治療研究会(JMOG)幹事、日本サルコーマ治療研究学会(JASTR)評議員、日本整形外科学会骨・軟部腫瘍委員会委員、日本整形外科学会悪性骨腫瘍診療ガイドライン委員会アドバイザー、
慶應義塾大学整形外科准教授として長年当該分野の診療にあたり診療実績多数
吉山 晶
氏名
吉山 晶 (よしやま あきら)
役職
整形外科医員、骨・軟部腫瘍副センター長
専門医・認定資格
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定骨・軟部腫瘍医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、日本がん治療認定医機構認定医
専門分野
骨・軟部腫瘍、骨転移
外来日
整形外科 水(午前)、骨・軟部腫瘍センター 火(午後)、骨転移外来 火(午後)*
実績
当該分野では数少ない女性医師として慶應義塾大学病院および杏林大学病院で診療実績多数
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