泌尿器科:前立腺がん
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排尿障害は高齢者によくある症状ですが、前立腺がんは進行するまで症状はなく、PSAの測定が早期診断に有効です。質の高い無作為化比較対照試験において、PSA検査をすることで、転移がん進展リスクの低下とがん死低下効果が証明されています。
しかし、すべての前立腺がんが急速に進行するものではなく、また比較的高齢者に発症することもあり、患者さんの病状に応じた治療方針を検討することが必要です。
診療の特徴
早期症例には根治をめざします
当院は前立腺がん治療において全国屈指の症例数を誇っています。小線源療法、前立腺全摘術(ロボット支援)、外部照射療法(IMRT)、ホルモン療法等すべての選択肢があり、必要に応じて併用療法を実施しています。特に小線源療法においては国内随一の経験と実績を誇っており、2020年3月までに3783例の治療を経験しており、全国から多くの方がこの治療を希望して来院されています。
進行症例にはよりよいQOLを重視します
- 骨転移などを伴う進行前立腺がんの初期治療はホルモン療法となりますが、最近ではそのような進行症例やホルモン療法が効かなくなった症例に対する治療法として新規ホルモン剤や化学療法など多くの選択肢が可能となり、予後の向上に寄与しています。
- 骨転移などの疼痛に対しては、鎮痛薬や放射線照射などの従来の治療に加えて、ビスフォスホネートやラジウムなどを併用することにより、高いQOLを維持できる緩和ケアを提供しています。
当科が参加している主な臨床研究
- 日本における前立腺癌に対するヨウ素125密封小線源永久挿入療法に関する前向きコホート研究【J-POPS】
- 高リスク前立腺癌に対する小線源・外照射併用放射線療法における補助ホルモン治療の有効性に関する臨床研究【TRIP】
PSA高値にて当院へご紹介いただいた患者さんの診断から治療へのながれ
- 生検適応の検討(必要に応じてMRI)
生検(入院:2日程度) - 前立腺がんの診断
- MRI、CT、骨シンチによる病期診断
- 治療方針の検討
監視療法、手術、小線源治療、IMRT、ホルモン療法、その他、等から最善の治療を患者さんと一緒に検討します。 - 治療
治療実績
2019年 前立腺がん
症例名 | 症例数 |
---|---|
ロボット支援前立腺全摘術 | 93 |
小線源治療 | 261 |
IMRT (小線源治療との併用を含む) | 160 |
ホルモン療法 (2019年に開始した症例:他治療との併用を含む) | 199 |
スタッフ紹介
- 氏名
- 門間 哲雄 (もんま てつお)
- 役職
- 科長
- 専門医・認定資格
- 日本泌尿器科学科専門医・指導医、日本がん治療学会がん治療認定医、第1種放射線取扱主任者
- 外来日
- 水・金
- 氏名
- 西山 徹 (にしやま とおる)
- 役職
- 医長
- 専門医・認定資格
- 日本泌尿器科学科専門医・指導医
- 外来日
- 月・火
- 氏名
- 矢木 康人 (やぎ やすと)
- 役職
- 医員
- 専門医・認定資格
- 日本泌尿器科学科専門医・指導医、日本がん治療学会がん治療認定医、日本ロボット外科学会国内A級認定医、ロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)
- 外来日
- 火・水
- 氏名
- 服部 盛也 (はっとり せいや)
- 職名
- 医員
- 卒業年
- 2005年
- 出身大学
- 慶應義塾大学卒
- 資格
- 日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本癌治療学会がん治療認定医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、ロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、 臨床研修指導医、博士(医学)
- 専門分野
- 泌尿器科領域癌治療、ロボット支援手術
- 氏名
- 中村 憲 (なかむら けん)
- 役職
- 医員
- 専門医・認定資格
- 日本泌尿器科学科専門医・指導医
- 外来日
- 月・火
- 氏名
- 金子 雄太 (かねこ ゆうた)
- 役職
- 医員
- 専門医・認定資格
- 日本泌尿器科学会専門医