末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)
末梢動脈疾患 (下肢閉塞性動脈硬化症)とは?
末梢動脈疾患 (下肢閉塞性動脈硬化症)は、動脈硬化により下肢の動脈が狭窄または閉塞し血流が悪くなる病気です。特徴的な症状は「間欠性跛行」とよばれる歩行時に出現する腓腹部 (ふくらはぎ)の痛みや張りで、数分間休憩すると症状改善しまた歩行できるようになりますが、同じくらいの距離を歩くとまた症状が出現し、休み休みではないと歩くことができないようになります。
重症になると安静時にも疼痛が生じ、潰瘍や壊疽が出現し下肢切断に至ることがあります。歩行時に足の痛みを感じる方は、簡単な診察と検査で末梢動脈疾患かどうか判明しますので、ぜひ一度ご相談ください。
末梢動脈疾患 (下肢閉塞性動脈硬化症)の治療
間欠性跛行を自覚する方には、まず薬物療法 (シロスタゾールの内服)と運動療法を行います。症状の改善が乏しい場合、また安静時疼痛や潰瘍・壊疽を伴う重症の症例には血行再建術 (血流を改善するための治療)を行います。
現在、血行再建は主にカテーテル治療 (血管内治療)を行っています。腸骨動脈領域の狭窄、閉塞病変には金属ステント留置またはステントグラフト留置を行っています。大腿-膝窩動脈病変は、薬剤被覆バルーン (Drug coated balloon)、薬剤溶出性ステント (Drug eluting stent), Interwoven nitinol stent (Supera stent)、ステントグラフト (バイアバーン)など様々なデバイスが使用可能となり、症例に応じた最適な治療の選択により、長期間の開存が得られるようになっています。
膝下動脈病変は重症の症例において治療適応となりますが、治療ガイドラインでバイパス手術が第一選択であり、手術に耐えられる方には静脈グラフトを使用したバイパス手術を選択しますが、手術が困難な方にはカテーテル治療 (バルーン拡張術)を選択します。総大腿動脈病変は治療ガイドラインで第一選択とされている血栓内膜摘除術を局所麻酔下で行っています。カテーテル治療は3泊4日の入院で行っています。