ロボット手術センター(婦人科)
最新情報
- 2022年04月01日
- 4月よりロボット支援下仙骨腟固定術(K865-2)が保険診療として実施可能となりました
- 2021年02月01日
- 当院産婦人科大木慎也医師が日本ロボット外科学会公認 Robo-Doc Pilot 国内B級を取得しました
- 2020年12月01日
- 当院産婦人科山下博医師が日本ロボット外科学会公認 Robo-Doc Pilot 国内B級を取得しました
婦人科の概要
2024年3月現在、当院においては婦人科領域で保険適応となっているすべてのロボット支援下手術が実施可能となっております。泌尿器科、外科、産婦人科と複数の診療科で内視鏡手術支援機器(daVinci Si, Xi)を使用しているため、各科で使用できる曜日・日程が規定されております。ロボット支援下手術を希望される患者様はロボット手術担当の外来担当医にご相談ください。
低侵襲手術、ロボット支援下手術とは?
低侵襲手術とは、従来の開腹手術に比べて傷の大きさ、術後の疼痛といった手術侵襲の少ない手術のことで、腹腔鏡手術やロボット支援下手術がそれにあたります。従来の開腹手術に比べて、
- 傷が小さく整容性に優れている
- 術後の痛みが少ない
- 出血量が少ない
- 入院期間が短い
- 術後の合併症(腸閉塞、血栓症、リンパ浮腫など)が少ない
- 社会復帰までの時間が短い
とメリットの多い手術です。一方で、技術的な面から実施できる施設、術者が限られること、手術時間の延長や麻酔管理などの面でデメリットもあります。
当院産婦人科では、これまでに良性疾患だけでなく悪性腫瘍に対する低侵襲手術にも積極的に取り組んでまいりました。2012年2月から早期子宮体癌に対する腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術を先進医療として開始して以来、これまでに約200件の腹腔鏡下悪性腫瘍手術を実施してまいりました。
2018年4月には良性疾患に対するロボット支援下腹腔鏡下子宮全摘術(K877-2)、および早期子宮体癌に対するロボット支援下子宮悪性腫瘍手術(K879-2)が保険適応となりました。当院でも2018年12月よりロボット支援下手術を開始し、これまでに約90件のロボット支援下手術を実施しております。また2020年4月からは骨盤臓器脱に対するロボット支援下仙骨腟固定術(K865-2)が保険適応となり、当院では2021年12月よりロボット支援下仙骨腟固定術を開始、2022年4月からは保険診療での実施が可能となっております。
年間の手術件数は年々増加し、2023年は52件のロボット支援下手術を実施いたしました。
腹腔鏡手術は、おへそと下腹部に3-4か所、約7~12mmの切開を加え、手術用の操作鉗子を用いて実施する手術です。ロボット支援下手術はこの手術を内視鏡手術支援機器(daVinci Si, Xi)を用いて行い、おへその上を中心に約5か所(8~12mm)の穴をあけて手術を行います。手術内容によっては創部の数、場所、大きさが変更となる場合もあります。
ロボット手術では、3Dカメラで腹腔内を観察し、7関節可動の3本のロボットアームを遠隔操作で動かします。術者の精密な手の動きが、手ぶれが防止された状態で再現されるため、腹腔鏡手術より繊細で根治性の高い手術が可能です。また創部にかかるダメージが少ないため、腹腔鏡手術と比較してより低侵襲な手術と考えられます。一方で、腹腔鏡手術に比べて手術実施中の頭低位が大きい(腹腔鏡手術:15-20度、ロボット手術20-25度)ことや、麻酔時間が長くなること(0.5-1時間程度)により、麻酔の維持が難しかったり、合併症の増加といったリスクもあります。また、低身長や極端に体躯が小さい場合はロボットアームのセッティングが難しく、実施が困難なこともあります。
当院で実施可能な婦人科疾患とロボット支援下手術、おおよその入院期間・費用について
①子宮良性疾患に対するロボット支援下腹腔鏡下子宮全摘術(K877-2)
子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮頚部異形成(CIN3やAISも含みます)、子宮内膜増殖症*といった良性の疾患に対して適応があります。
術式はK877-2で手術点数は42050点(3割負担で126150円)、これに加えて入院基本料金・食事・検査・投薬の費用負担が生じます。入院期間は6-7日程度です。
*手術後の病理検査で子宮体癌が見つかった場合には②の手術点数となります。
②子宮体癌に対するロボット支援下子宮悪性腫瘍手術(K879-2)
子宮体癌ⅠA期相当と考えられる早期子宮体癌に対しては、ロボット支援下腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(リンパ節郭清を含む)の適応があります。
術式はK879-2で手術点数は70200点(3割負担で210600円)、これに加えて入院基本料金、食事・検査・投薬の費用負担が生じます。入院期間は6-10日程度です。
③骨盤臓器脱に対するロボット支援下仙骨腟固定術(K865-2)
子宮脱、子宮全摘出後の腟脱に対して適応があります。
術式はK865-2で手術点数は48240点(3割負担で144720円)、これに加えて入院基本料金、食事・検査・投薬の費用負担が生じます。入院期間は6-7日程度です。
スタッフ紹介
- 氏名
- 山下 博 (やました ひろし)
- 職名
- 産婦人科科長 ロボットセンター副センタ―長
- 卒業年度
- 1993年卒
- 資格
- 日本産科婦人科学会専門医、医学博士、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、日本ロボット外科学会Robo-Doc Pilot 国内B級、手術支援ロボットダビンチ資格認定、母体保護法指定医
- 専門分野
- 婦人科悪性腫瘍、ロボット手術、腹腔鏡手術、産科
- メッセージ
- 先進的な医療を取り入れながらも豊富な診療経験を通じて心の通った診療を目指しております。
- 氏名
- 大野 暁子 (おおの あきこ)
- 職名
- 産婦人科医員
- 卒業年度
- 2002年卒
- 資格
- 日本産科婦人科学会専門医、医学博士、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本がん治療認定医機構認定医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、手術支援ロボットダビンチ資格認定
- 専門分野
- 婦人科悪性腫瘍、ロボット手術、腹腔鏡手術、産科
- メッセージ
- 特に腹腔鏡手術を得意としております。同じ女性として患者さんの心に寄り添った診療を心がけております。
- 氏名
- 大木 慎也 (おおき しんや)
- 職名
- 産婦人科医員、ロボットセンター医員
- 卒業年度
- 2008年卒
- 資格
- 日本産科婦人科学会専門医、医学博士、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医、日本がん治療認定医機構認定医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、母体保護法指定医、日本ロボット外科学会Robo-Doc Pilot 国内B級、手術支援ロボットダビンチ資格認定
- 専門分野
- 婦人科悪性腫瘍、ロボット手術、腹腔鏡手術(特に骨盤臓器脱手術)、産科
- メッセージ
- 特に腹腔鏡手術を得意としております。患者様のQOLを保ちつつ、癌の根治性を損なわない治療を提供してまいります。また、子宮脱などの骨盤臓器脱に対する腹腔鏡手術、ロボット手術も得意としております。お気軽にご相談ください。
- 氏名
- 真壁 健 (まかべ たけし)
- 職名
- 産婦人科医員
- 卒業年度
- 2009年卒
- 資格
- 日本産科婦人科学会専門医、医学博士、日本臨床細胞学会細胞診専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、日本がん治療認定医機構認定医、手術支援ロボットダビンチ資格認定
- 専門分野
- 婦人科腫瘍、遺伝性腫瘍、産科
- メッセージ
- 近年、妊孕性温存療法、分子標的治療を始め、個人個人にあわせた治療の選択が増えています。婦人科腫瘍、遺伝性腫瘍を専門としてみさせていただいていますが、妊娠、更年期等、女性の生涯にわたって微力ながら健康のお手伝いをできたら幸いです。お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。