前立腺肥大症

前立腺肥大症

当院で行う治療法は主に内服治療と手術の2つです。

内服治療

主に処方されている薬剤の主な作用機序は、前立腺自体を縮小するというよりも、前立腺肥大症によって機能的に緊張が高まり狭くなった尿道を緩めるということです。1週間程度で効果が見られます。比較的副作用の少ない薬剤ですが、立ち上がったときにめまい(起立性低血圧)が時にみられることがあります。前立腺肥大症が進行し物理的に尿道が狭くなった場合には、効果が低下することがあります。これらの作用をもつ薬剤として、ハルナール、フリバス、ユリーフなどがあります。血流を改善することで排尿症状を軽減させる薬剤としてザルティアも使用されます。

前立腺を縮小させる内服薬を併用することがあります。PSA値を低下させ前立腺癌の発見を遅らせる原因にもなるので、処方前には癌の有無を調べる必要があります。これらの作用をもつ薬剤として、アボルブ、プロスタールなどがあります。 症状の緩和目的に漢方薬の合剤を処方することがあります。副作用はほとんどありませんが、自覚症状の改善はゆっくりです。これらの作用をもつ薬剤として、エビプロスタット、セルニルトンなどがあります。

直接的に前立腺肥大症に作用しませんが、前立腺肥大症に伴う頻尿などについては、膀胱の機能をコントロールする薬剤を併用することがあります。

手術

TUR-P

手術として、前立腺の肥大部分を内側から削ぎ落とすように切除する経尿道的前立腺切除術(TUR-P)という方法を行っています。前立腺をみかんに例えるとみかんの房(中身)だけを内側から削りとり、皮は残すという手術です。

TUEB

比較的大きな前立腺肥大症に対しては、TUR-Pによる出血を軽減のため前立腺をくり抜く(核出する)経尿道的前立腺核出術(TUEB)という方法を行います。

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