【医療福祉相談室(ソーシャルワーカー)】患者さんやご家族の不安な気持ちに寄り添う
東京医療センターの医療福祉相談室には現在10名のソーシャルワーカーが在籍しています。患者さんの様々な困り事を解決する役割について、ソーシャルワーカーの福長暖奈さんに話を聞きました。
退院後の支援や医療費の問題など生活に直結する悩みの解決を図る
病院内でのソーシャルワーカーの役割は様々なものがあり、なかでも医療を受ける患者さんが生活上の問題に直面した際の支援が中心です。福長暖奈さんは「退院後の生活不安や、リハビリ・介護関連の施設入居のご相談、医療費のご負担の問題など生活につながるお悩みを解決するお手伝いをしています。今は高齢者の一人暮らしが増えていて、日々の生活の中で他を頼れない方も少なくありません。そうした方が当院に入院したあと困ることがないように様々なサポートをするのが私たちの役目です。安心して病院にかかっていただける環境づくりに注力しています」と説明します。
当センターの医療福祉相談室では、患者さんにより良い情報を提供できるよう、“顔の見える地域連携”を念頭に、他の療養型病院やリハビリ病院、介護施設に見学に出向いたり、地域のソーシャルワーカー同士で勉強会を行っています。加えて患者さん向けの活動として、「がんサロン」を院内で定期的に開催。「ソーシャルワーカーが退院支援の看護師と一緒に、がん患者さんのサポートを行うイベントとして企画しています」ということです。
「入院中の患者さんや外来患者さんをはじめ、地域の方からの相談も幅広く受け入れています。病院にかかる上での生活面の不安や困りごとがあれば、まずは気軽にお電話ください」と話してくれました。
病院1Fの「医療福祉相談室」の窓口で対応するほか、個別の相談室でじっくり話を聞くことも多いそう。
患者さんの気持ちを前向きにできる信頼されるソーシャルワーカーを目指したい
ソーシャルワーカーとして心がけているのは、患者さんご自身の意思決定を尊重しながら、その方の立場に立って物事を考えていくこと。ご本人が大事にしておられる価値観に重きを置き、決して否定することなく、人となりやお考えを理解しながら伴走しています。
日々の活動の中で、病気で不安な方が「話をしたことで気が楽になった」「今晩はよく眠れそう」と言ってくださるとうれしいです。心配事が減り、少しでも前向きな気持ちになってもらえるとやりがいを感じます。
私自身、目標にしているソーシャルワーカーの先輩がいて、患者さんから「安心して何でも話せる」「少し話すだけでホッとできる」と言われる、勉強になる存在です。私も患者さんに「この人だったら話してもいいな」と思ってもらえるような、信頼されるソーシャルワーカーを目指していきたいと思います。
医療福祉相談室 ソーシャルワーカー
福長暖奈さん