消化器内科：消化器がん

消化器内科学の神髄である、診断から治療までの一貫した診療体制の構築と、管腔臓器である、食道、胃、大腸がんから、実質臓器である肝、胆道、膵がんまで、全消化器領域のがんを受け入れるべく、日々精進しています。

業務は、内視鏡を中心とした早期診断と、低侵襲治療を目的とした内視鏡治療を担うと同時に、がん患者の化学療法も積極的に行っています。膵、胆道疾患においては、内視鏡的逆行性胆管膵管造影を使った、減黄処置や診断に向けた検体採取、ステント治療なども行っており、この地区における肝胆膵疾患の受け入れ施設として重要な役割を果たしています。

消化管癌については、消化管低侵襲治療室を設置し、早期消化管悪性腫瘍に対してESD（内視鏡的粘膜下層剥離術）をはじめとする最先端の内視鏡診断・治療を行っております。肝がんに関しては、肝動脈塞栓術やラジオ波焼灼術、分子標的薬、肝動注療法や定位放射線治療といった選択肢について、放射線科や外科と協議しながら最善の治療法を決定し提供しています。胆、膵がんは、減黄、ステントなどの処置を、内視鏡を使った経乳頭的なアプローチや経皮経肝的アプローチを行い、手術適応例は外科へ、また不能例は当科で続けて化学療法を行っています。
消化器全領域において、適応症例においては、化学療法を考慮し治療提供しています。臨床腫瘍科と連携をはかり、患者の病態にあった治療法を選択しています。

尚、当院は、日本消化器病学会認定施設、日本肝臓学会認定施設、日本消化器内視鏡学会認定施設としての機能を果たし、専攻医のサブスペシャリティ領域における教育や育成にも全力で取り組んでいます。

da Vinci（ダヴィンチ；手術支援ロボット）は、先端が自由に動くロボットの支援で行う腹腔鏡下手術の一種です。これまでより緻密・複雑な手術が可能となりました。患者さんへの負担が軽い低侵襲手術で、術後の早期回復・機能温存に寄与します。

2018年よりダヴィンチを用いたロボット支援下手術が直腸癌に保険適応になりました。全国的に増加傾向ですが未だ行える施設は限られています。当科でも2019年に導入し現在すべての直腸がんを対象にロボット手術をおこなっています。
今後も安全性を担保しながら患者さんによりよい治療を提供できるよう、積極的に行っていく予定です。

• 体幹部定位放射線療法後の潜在的Abscopal 効果による肝細胞癌再発抑制
• 切除不能進行肝細胞癌のレンバチニブ治療における支持療法としてのHMB/L-アルギニン・L-グルタミン配合飲料とロコモーショントレーニングの有用性についての非盲検ランダム化比較試験
• 内視鏡的粘膜下層剥離術における次世代内視鏡強調画像の有用性に関する多施設共同ランダム化比較試験
• 胃ESD後の人工潰瘍閉鎖におけるボノプラザンフマル酸塩3週間投与の8週間投与に対する非劣性を検証するランダム化比較試験
• 大腸神経内分泌腫瘍症例に対する多施設共同前向き症例登録追跡研究
• 大腸T1癌の予後に関する多施設共同前向きコホート研究